Eコマースと実店舗の売り上げを左右する要因とは?:コロナ禍のホリデーショッピングを支えた技術【後編】
ホリデーシーズンにおけるデジタルチャネルおよび実店舗の売り上げには、さまざまな要因が影響している。何が売り上げを左右するのか。
Eコマースは2020年以前から好調を維持している。その分、ショッピングセンターなどの実店舗はより低迷しているように見える。
ホリデーショッピングの傾向を一つの理由や技術の存在に帰することは難しい。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株の出現を考慮に入れるとなると、引き続き実店舗への客足は伸びにくいと考えられる。
売り上げを左右する“あの要素”
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オムニチャネルへの道
コロナ禍のオンラインおよびオフライン販売において、パーソナライズやデジタルクーポンなどの技術が役立っていた可能性がある。それらの技術に加え、BOPIS(オンラインで購入して実店舗で受け取り)など購入方法の選択肢を広げるシステムを導入し、購入に関する障壁を取り除くことができれば、顧客が望む体験が実現する。
IDCのアナリストであるジョーダン・ジュエル氏は、モバイルアプリケーションの利用には、まだ成長の余地があると考えている。人々はかつてよりも頻繁にモバイルデバイスでEコマースサイトを閲覧し、購入するようになっている。とはいえEコマースでは、PC経由の購入が依然として主流だ。
技術の進歩により、商品購入に関する利便性は向上している。このことは「デジタルコマースの領域において何年も言われている」とジュエル氏は語る。ただし「コロナ禍で進歩が加速したのは事実だ」と同氏は認める。
決済サービスの充実、売り手が簡単に店舗を立ち上げることのできるマーケットプレースの台頭といった事柄は、Eコマース拡大に一役買っている。Amazon.com、Walmart、Alibaba Group Holding、eBayなどの既存勢力が、MiraklやVTEXといったもっと小規模な新興企業との競争に入りつつある。だが「デジタルチャネルを通じた収益増の誘因は結局のところ、技術そのものよりも、それを求めるビジネスの変化にあるのではないか」とジュエル氏は話す。
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