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「量子コンピュータ」の普及が部品、材料市場を刺激する「量子コンピュータ」実用化へ【第3回】

量子コンピュータの飛躍的な進化を支えるのが、部品や材料だ。量子コンピュータ市場の動向はIT製品のベンダーだけでなく、部品・材料メーカーにも影響を及ぼす。

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 第2回「『量子コンピュータ』市場で生き残るベンダーの条件とは」は、量子力学の原理を利用したコンピュータ「量子コンピュータ」の市場で生き残るベンダーの条件を整理した。第3回となる本稿は、量子コンピュータ市場が部品、材料メーカーに及ぼす影響を考える。

部品・材料がもたらす量子コンピュータの進化

 「レーザーや真空装置など、量子コンピュータの動作に必要な部品の専業メーカーが活躍できる場が十分にある」。ITコンサルティング会社Communications Network Architectsのプレジデントであるフランシス・ジュベック氏は、こう指摘する。

 ベンダーが量子コンピュータを実用化するための過程で「新しいハードウェア用材料が登場する」とジュベック氏はみる。こうした材料の一例として、2021年12月に量子コンピュータベンダーIonQが発表した材料がある。

 IonQは量子ビット(量子コンピュータが扱う情報の最小単位)にバリウムイオンを採用する計画を発表した。これにより将来の量子コンピュータの高速化が見込めることに加え、複数のシステムの相互接続が容易になることや、量子コンピュータの稼働保証時間の延長が期待できるという。

 調査会社Moor Insights & Strategyのバイスプレジデント、ポール・スミス・グッドソン氏は「量子誤り訂正技術の精度を大きく改善する方法を見つけない限り、2000量子ビットや10万量子ビットの量子コンピュータは実現しない」と説明する。これは乗り越えなくてはならない高い壁だ。2022年にはIBMやQuantinuumなど、この分野に懸命に取り組む企業が「技術的な躍進を見せる」とグッドソン氏は予想する。

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