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「有能なネットワーク管理者に最も重要なスキル」を採用面接で問われたら何と答えるかネットワーク管理者の採用面接を成功に導く質問回答例【第2回】

ネットワーク管理者の採用面接で「有能なネットワーク管理者に最も重要なスキル」を聞かれたら何と答えればよいのか。答えるためにできる準備の方法と共に紹介する。

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 第1回「優れたネットワーク管理者を採用するために面接官が聞くべき“あの質問”」に続き、第2回となる本稿も自社に最適なネットワーク管理者を採用するために面接官が面接で質問すべきことと、求職者が答えるべき内容を紹介する。

  1. 面接官がすべき質問(第1回〜第3回で紹介)
    1. 自分のキャリアに関係する新しいトレンドや技術をどのようにしてキャッチアップしていますか(第1回で紹介)
    2. 有能なネットワーク管理者になるために、最も重要なスキルは何ですか
    3. 事業継続計画(BCP)および災害復旧(DR)計画の策定と実施の経験を教えてください。策定や実施を通してどのような教訓を得ましたか
    4. ITプロジェクトに携わったり、管理をしたりしたときに、技術と協働の両面で何を学びましたか(第3回で紹介)
    5. 設定ミスなどの技術的問題に直面したとき、どのように解決したのかを教えてください(第3回で紹介)
  2. 求職者がすべき質問(第4回、第5回で紹介)
    1. IT部門は事業部門とどのように連携していますか(第4回で紹介)
    2. IT部門の業績評価にどのような指標を用いていますか(第4回で紹介)
    3. サードパーティーベンダーに業務を委託している場合、委託先の従業員はIT運用においてどのような役割を果たしていますか(第4回で紹介)
    4. 技術研修はIT部門にとって重要な要素だと考えますか。研修費用は従業員の自己負担ですか、それとも会社負担ですか(第5回で紹介)
    5. 今後1年から2年の間に会社が最優先するプロジェクトや技術投資は何ですか(第5回で紹介)

面接官がすべき質問2.有能なネットワーク管理者になるために、最も重要なスキルは何ですか

 「有能なネットワーク管理者になるために、最も重要なスキルは何か」という質問を受けた求職者は、まず何よりもネットワーク一般に関する十分な知識があることを示す必要がある。可能であれば応募先企業が採用するアーキテクチャに関して、ある程度の知見を持つことを示せるとよい。

 そのために面接の前に応募先企業に関する調査を実施する。知名度が十分に高い企業であればケーススタディーや幹部のインタビュー、ニュース記事を通じて応募先企業のネットワークアーキテクチャに関する情報を入手できる可能性がある。求人票に書かれた職務内容からも重要な情報を得られるはずだ。面接中に面接官からネットワークに関する情報を引き出す方法もある。求職者は応募先企業が利用するネットワークとその管理ツールに関するより詳しい情報を求めて面接官に質問するとよい。

 ネットワーク一般の知識以外では、セキュリティやクラウド、ユニファイドコミュニケーションといった近年重要視される分野の周辺技術に関して適切な知識を示すことを推奨する。プロジェクトへの参加や継続的な学習を通じて、例えばハイブリッドクラウドといった近年のトレンドとなった技術に関する知識を広げた例を具体的に示す必要がある。

 チームで協力して効果的に目標を達成することも重要なスキルだ。プロジェクト管理の経験も役に立つ。一般的にネットワーク管理者は調達担当の役割を担う可能性がある。求職者は、値下げやその他のより有利な条件での取引によって、企業が製品から得る価値を高めるための手助けをした事例を説明できるとよい。

面接官がすべき質問3.事業継続計画(BCP)および災害復旧(DR)計画の策定と実施の経験を教えてください。策定や実施を通してどのような教訓を得ましたか

 BCPおよびDR計画の策定・実施経験に関する質問を受けた求職者は、継続的な事業運営を支えるためにレジリエンス(障害発生時の回復力)と冗長性を組み込んだBCPおよびDR計画を策定したり、その実行に貢献したりした具体的なエピソードを挙げる必要がある。例えば自然災害が起きた際のフェイルオーバー(待機系への自動切り替え)のためにクラウドDRサービスを導入したという包括的な施策は紹介できる可能性がある。BCPおよびDR計画に基づいて「個別のアプリケーションを導入した」「サーバをクラスター化(注)した」といった施策を話してもよい。

※注:複数台のサーバを連携させて単一のサーバとして見なす手法。これによりクラスター化したうちの1台のサーバに障害が発生しても、別のサーバでシステムを稼働し続けることでダウンタイム(システムが停止する時間)を回避できる。

 求職者が自身の経験を話す際は、「BCPおよびDR計画を進める際に発生した問題にどのように対処したか」や「対処した問題が技術的な問題か、それ以外か」を説明する必要もある。中でもBCPおよびDR計画を完全に開始する前に問題が起きた事例は面接で話すエピソードとして役立つ。例えばシステムの検証中にフェイルオーバーを起こす可能性がある問題を検出した経験がある場合、その経験をその後のプロジェクトにどのように生かしたのかを面接で話す。このエピソードを基に、BCPおよびDR計画で起こり得る潜在的な障害を見つけるためにシステムの検証を早期かつ頻繁に実施することがいかに重要かを学んだと述べてもよい。


 第3回も引き続き、ネットワーク管理者を採用する際の面接で面接官が求職者に聞くべきことと、求職者が答えるべき内容を紹介する。

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