Metaが手掛けるスパコン開発【第4回】
Meta(旧Facebook)が“メタバース王”になれる条件とは?
独自開発のスーパーコンピュータ「AI Research SuperCluster」(RSC)を武器に、メタバース市場で覇権を握ろうとするMeta Platforms。同社が市場で主導権を握るためには、何が必要なのか。
Meta Platforms(旧Facebook)は、人工知能(AI)システム向けに独自開発したスーパーコンピュータ「AI Research SuperCluster」(RSC)の「“並外れた性能”を得意げに公開している」と、調査会社Opus Researchでアナリストを務めるダン・ミラー氏は語る。ただし「Metaが掲げる目標は、少々時代遅れに見える」とミラー氏は持論を展開する。「扱うデータ量を増やすことで、Metaはメタバース(巨大仮想空間)市場におけるAI技術の支配権を握ろうとしている」(同氏)
Metaがメタバースの支配権を握る“あの条件”
ミラー氏は「企業にとっては、より少ない労力で、より多くのことを実行できる技術が望ましい」と語る。具体的には、自然言語処理(NLP)や文字認識などの技術を使用して、より多くの用途で活用できたり、特殊な用途に対処できるようにしたりする方がよいという。
企業がメタバースにおいて、従業員の日常生活をサポートするためにAI技術を活用するのであれば、「AI技術の役割を分かりやすいものにしなければならない」とミラー氏は助言する。「大規模なサーバ群で何十億個もの機能を実行する状況」を生み出さないようにすることが肝要だということだ。
スーパーコンピュータを自社で開発できない企業は、Google、Amazon Web Services、Microsoftをはじめとするベンダーが提供するスーパーコンピュータを利用するのが現実的な選択肢となる。他にも「どのクラウドサービスにメタバースを配置するかという競争がさらに激化する」と、調査会社Constellation ResearchのアナリストであるR・レイ・ワン氏は予想する。
他の選択肢の可能性
2022年1月時点では、MetaはRSCの使用を社内用途に限定しており、社外に販売する計画はない。これはIBMの「Summit」やHewlett Packard Enterprise(HPE)の「HPE Cray」といった、ベンダーが企業や行政機関向けに提供するスーパーコンピュータとは異なる点だ。Metaは「自社の研究者のニーズに応えるために、スーパーコンピュータの開発を継続する」と説明する。
調査会社Gartnerでアナリストを務めるチラーグ・デケイト氏は「Metaが別の技術を秘密裏に検討していても不思議ではない」と話す。選択肢を広げることで、機械学習モデル構築用のさまざまなシステムを利用できるようになるからだ。デケイト氏はそのようなシステムを提供する可能性があるベンダーとして、GraphcoreやSambaNova Systemsを挙げる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 約9割が負担を実感 Salesforceのテスト業務に関する実態調査で見えた課題とは -
市場調査・トレンド
[コパード株式会社] 「Salesforce」開発・運用におけるAI活用実態調査レポート -
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
3
パッチなしで「今すぐサーバを落とせ」 Kiteworks異例警告の波紋
-
4
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
5
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
6
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
7
情シス管理職は何を「やらない」のか ラクス情シス課長が語る"仕事を任せる判断軸"
-
8
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
9
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
10
「サイバー犯罪株式会社」に潜入 現地調査で判明した“犯罪者求人”の実態
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
8
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
9
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
10
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー