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小売業者への調査で分かった「社外データ活用」“驚きの実態”とは?「スクレイピング」の理想と現実【前編】

調査によると、小売業者やEコマース業者による社外データの活用においては、いまだに手作業が残っている。なぜ自動化が進まないのかを調査結果から読み解く。

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流通業 | データ | データ統合


 調査会社Censuswideは、レジデンシャルプロキシ(住宅向けIPアドレスを使ったプロキシサーバ)ベンダーOxylabs.ioの委託を受けて、英国の小売業者とEコマース(EC)業者のシニアデータ意思決定者251人に対する調査を実施した。両社が2021年10月に公開した調査結果は、驚きの事実を明らかにした。それは、社外データの活用に関して

  • 回答者の47%が、社外のデータソースから自社システムに「手作業」でデータを転記および加工

していたことだ。

 Oxylabs.ioの最高運用責任者(COO)であるジュラス・ユルシェナス氏は、「ECをはじめ小売業に属する企業の大部分が、手作業でデータの収集と、名寄せなどのクレンジングをしていることに驚いている」と語る。

“価格を変えるだけ”では限界がある

 小売業者が競争力を維持するために、社外データがますます重要になっている。小売業者やEC業者は、需要と供給に応じて商品の価格を流動的に変化させている。ただし激化する競争を勝ち抜くためには、単に商品の価格を変えるだけでは十分ではない。効果の高い価格設定戦略を理解し、実行するにはデータが必要だ。

 今回の調査で、社外データの用途を尋ねる設問において、回答者全体のうち

  • 43%が市場動向の予測
  • 39%が顧客の需要予測と競争相手の評価
  • 38%がサービスの向上
  • 37%が価格戦略の最適化
  • 35%が製品開発

を挙げた。


 ユルシェナス氏の見立てでは、ベンダーが提供する「スクレイピング」ツールを利用すれば、手作業でデータを収集する必要性は大幅に少なくなる。スクレイピングは、Webサイトからデータを収集して使いやすく加工することを指す。データ収集作業にまつわるコストの削減やデータ分析速度の向上、分析対象データの範囲拡大を支援するという。後編はスクレイピングの課題を探る。

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