「データカタログ」とは何か【後編】
「データカタログツール」とは? 主要機能とベンダーを紹介
データ分析担当者は、分析に利用するデータの入手に苦労することがしばしばある。そうした課題に対処する手段が「データカタログ」ツールだ。その主要機能とベンダーを取り上げる。
「セルフサービスBI」(BI:ビジネスインテリジェンス)ツールなどのデータ分析ツールを利用するデータ分析担当者が、そうしたツールで利用するためのデータを自ら取得し、整形することには困難が伴う。データ管理者を介さずにそのような作業を可能にし、非管理者のデータ分析担当者でもデータを取り扱いやすくするための仕組みが「データカタログ」だ。
データカタログの主な機能
Webサイトホスティング企業GoDaddyでデータおよびBIツールのエバンジェリストを務めるシャロン・グレーブス氏は、データカタログツールベンダーAlationのデータカタログツールを2015年に導入した。その目的は、データ分析担当者が自社システム内のデータを検索するために費やす時間を短縮することと、データカタログツールを通じてデータ管理者が分析対象となるデータを検証できるようにすることにあった。 GoDaddyはデータカタログツールの導入により、目的のデータを素早く入手可能な環境を整えた。「データアナリストが分析により時間を使えるように、また非専門家のデータ分析担当者が簡単なグラフやクロス集計表を作成しやすくなるようにしたいと考えた」(グレーブス氏)
データカタログツールは、「Apache Hive」「Amazon Redshift」といったデータウェアハウス構築製品・サービスなどのさまざまなデータソースからメタデータを抽出し、それらをデータ検索ポータルに集約する。データカタログツールの導入により、以下の操作が可能になる。
- 「データ管理者がそのアプリケーションでの使用を承認したかどうか」といった情報や指標を基にデータを並べ替える
- 特定のデータを最初に示すようデータ分析担当者が操作を加える
- データ管理者が作成したデータセットをデータ分析担当者に提供する
データカタログツールの中核機能は以下の通りだ。
- 索引付きのデータ保管庫
- 具体的なデータとひも付いたビジネス用語集
- データが生成、収集されるまでの経路情報である「データ系列」に関するドキュメント
- データ分析担当者がデータを理解し、原因や影響を分析することに役立つ
調査会社Gartnerによると、最新のデータカタログツールはこうした中核機能に加え、次のような高度な機能を備えるという。
- データを基にしたトピック抽出
- データ分類法則の生成
- セマンティクス(規則通りにデータが入力されているかどうか)の検出
- データやデータ集合同士の関係性を表現するナレッジグラフの作成
- データカタログの自動作成
- 機械学習の利用
「データ管理とデータ分析の担当チームにとっては、このような機能を持った最新のデータカタログツールが『必需品』になる」と、Gartnerのアナリストであるグイド・デシモニ氏とエティシャム・ザイディ氏は2019年9月発行の報告書で述べる。その理由はそれらのチームがデータ保管場所の分散化とデータの多様化に直面しているためだという。
他にも、データカタログツールは以下の一般的な機能を備える。
- 主要なデータ基盤製品との連携機能
- 実データを照会する検索機能
- データ分析担当者向けの共同作業機能
- データ分析担当者がカタログに記載された項目に注釈を付けたり、他のデータ分析担当者とチャットできたりする
データカタログツールは、データ分析ツールによるデータウェアハウスやデータレイクなどのリポジトリ内にあるデータの検索・適用を容易にする。データ管理者にとっても、データガバナンス戦略やデータ品質戦略を定める上で重要な役割を果たす。企業がデータから大きな価値を引き出すために重要なツールだと言える。
先述のAlation以外にも、次のベンダーがデータカタログツール、あるいはメタデータ管理ツールやデータガバナンスツールの一部としてデータカタログ機能を提供している。
- Ataccama
- Alteryx
- Amazon Web Services(AWS)
- Boomi(2010年にDellが買収)
- Cambridge Semantics
- Collibra NV
- data.world
- erwin
- IBM
- Infogix
- Informatica
- Microsoft
- Oracle
- Reltio
- SAP
- Talend
- Waterline Data
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