愛され続ける企業が「良い商品を作る」よりも重視する“単純なこと”:ITを使って「顧客忠誠度」を高める【後編】
顧客との良い関係性を築くために重要なのは、「顧客にとって価値のある企業」であり続けることだ。価値ある存在であり続け、顧客の再来を目指すために企業ができることは。
企業やブランドへの愛着度を示す「顧客忠誠度」を高めることは、顧客のリピート率を高めることにつながる。何をすれば顧客忠誠度の向上を実現できるのか。企業にとって検討の価値がある6つの施策のうち、5つ目と6つ目を紹介する。
5.顧客にとって価値のある存在であり続ける
併せて読みたいお薦め記事
連載:ITを使って「顧客忠誠度」を高める
「顧客体験」関連の注目トピック
顧客とのつながりを維持するには、企業が市場と共に進化し、顧客のニーズに応える力を持つことを強く示す必要がある。製品を劇的に変える必要はない。ただし時事問題や顧客のニーズに対処する姿勢を十分に示す必要はある。
企業は時代の変化や、その変化が起きた背景に対して率直に向き合う姿勢を持つことが重要だ。こうした姿勢は、顧客が製品購入を前向きに検討する気持ちを育む。
6.数字を知り、それを頻繁に測定する
リピート率の高い顧客に対して割引や限定キャンペーンなどの特典を付与する「忠誠度プログラム」の取り組みは有用だ。ただし忠誠度プログラムをただ実施するだけでは、売上高を増やしたり、顧客の再来を促し続けたりするには十分ではない。企業は取り組みの効果を測定、分析し、必要があれば施策の軌道修正をする必要がある。その鍵となる指標を以下に示す。
- 顧客満足度スコアやネットプロモータースコア(NPS:ブランドに対する顧客の信頼度や愛着度を測る指標)
- 顧客生涯価値(顧客1人当たりの年間売上高×顧客としての平均年数−顧客獲得維持コスト。LTVとも)
- 1年間にリピート購入した顧客の割合(1年間におけるリピート顧客の数÷その1年間における顧客総数)
- 固定客およびリピート顧客が生み出す年間売上高と、その他の顧客が生み出す年間売上高の差
- 忠誠度プログラムの「顧客レベル」による売上高の差(注1)
- リピート顧客に対する販促活動に伴う購入数
※注1:忠誠度プログラムに、購入頻度や購入総額などによる複数のレベル設定がある場合。
顧客とのつながりの維持は、どのような企業にとっても重要度が高い取り組みだ。リピート顧客に報酬を与え、新規顧客を引き込む忠誠度プログラムは、顧客との良い関係性を築くための効果的な施策だと考えられる。ただし、より効果的な忠誠度プログラムを実施するためには、データの収集、分析をするツール、分析により得た知見を施策に落とし込むためのマーケティングツールと販売ツール、それら全てを統括する戦略が不可欠だ。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.