「データガバナンス無視の危ない企業」は何が怖いのか?:クラウドベンダー選定の注意点【後編】
ハイブリッドクラウドでストレージを運用する動きが広がっている。そこで重要になってくるのが「データガバナンス」だ。適切なデータガバナンスができていないと、何が危ないのか。
オンプレミスインフラまたはホスティング型プライベートクラウドと、クラウドサービスを組み合わせた利用形態を「ハイブリッドクラウド」と呼ぶ。ハイブリッドクラウドにおけるストレージの設計や管理には、注意すべき点がある。
クラウドベンダーは複数のデータソースから取得したデータを処理できる機械学習や分析のツールを提供している場合がある。ユーザー企業はそうしたツールを使用する際、効果的なデータガバナンスを実施しなければならない。何を考慮するべきなのか。
データガバナンスができない“危ない企業”はどうなるのか?
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重要性を増すデータガバナンス
データガバナンスが必要になる理由の一つは、データの特性に応じて、使用する場所などの制限をかけなければならないからだ。もう一つの理由は、複数のリポジトリ(保管場所)やアプリケーション、サービスから取得したデータを管理する際、法令に違反しないようにする必要があることだ。例えば複数のデータソースから得たデータを結合すると、個人情報の匿名性を解除してしまう可能性がある。この制御を適切に実施できていないユーザー企業は、法的な罰則を受けることがある。顧客や株主、従業員からネガティブな反応を受ける状況に陥る懸念もある。
重要なのは、組織内の誰がデータガバナンスの責任を負うのかだ。CIO(最高情報責任者)なのか、CDO(最高デジタル責任者)なのか、従業員全員なのか――まずこの問題について組織内で議論しなければ、適切なデータガバナンスは実現しない。
かつてストレージやデータの管理は、あまり動きのない分野だと考えられていた。つまりデータを適切に保護するために、不必要な変更は避けて混乱を起こさないことが推奨されていた。しかし、その考え方はもはや時代遅れだ。ハイブリッドクラウドの首尾一貫した戦略やデータガバナンス体制を確立していない限り、ユーザー企業は気付かないうちに困難に直面する。
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