「自動化」で「DX」は強制的に進む? そのシンプルな理由:運用自動化のための「AI」入門【前編】
「DX」を目指す企業は、一度にさまざまな課題に向き合いながらプロジェクトを進める必要があり、その取り組みが必ずしも順調に進むとは限らない。専門家は「自動化」がその鍵を握ると説明する。なぜなのか。
企業が何かの課題に対処しようとしたり、プロジェクトを推進しようとしたりする際、「自動化」が欠かせない手法になりつつある。アナリストやAI(人工知能)技術の専門家が注目するのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進における自動化の活用だ。
「自動化」ができると「DX」が進む? その理由は
IBMのユーザーカンファレンス「Think 2022」で、調査会社IDCのソフトウェア市場調査およびアドバイザリープラクティス(実務顧問)AI戦略プログラム担当バイスプレジデントのリトゥ・ジョティ氏が、見解を示した。ジョティ氏が重要だと指摘するのは、IT運用における自動化だ。AI技術で反復作業を自動化することで余剰の時間が生まれ、人間はイノベーション(技術革新)の推進に集中できるようになる。
AI導入支援サービスを提供するIBM Expert Labsの副社長を務めるリティカ・グンナー氏によると、DXを推進する企業は以下3つの課題に直面する。
- DXに必要な技術やツールの特定
- 技術やツールを適用する業務プロセスの特定
- 企業文化の変革
これら3つの課題のうち、最も難しいのが企業文化の変革だ。DXの過程で企業は従業員を再配置し、再教育する必要が生じる。それを進めながら企業文化の変革を同時に実現するのは容易ではない。
人材を適切に再配置すると同時に、AI技術を使って作業を自動化することが不可欠になる。例えば金融業の組織を考えてみよう。株価の監視、融資先の事業状況の管理といった作業は、AI技術を使うことで自動化が可能だ。従業員は手作業の反復作業から解放され、その結果として
- 業務成果をさらに大きくするためのアルゴリズムの開発
- 自動化の適用範囲を拡大するためのAIモデルの開発
といった取り組みに時間を割くようになる。
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