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プログラミング言語「C」と「UNIX」の“深過ぎる関係”とは? 歴史を振り返るいまさら聞けない「C」の歴史【第1回】

登場以来、絶えず進化してきたプログラミング言語「C」。その誕生には「UNIX」が深く関わっていた。どういうことなのか。Cが生まれた目的や誕生当時の先進性を解説する。

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 「Java」「Python」「Ruby」など他のプログラミング言語が台頭する時代になっても、プログラミング言語「C」が開発者にとって重要なことは変わらない。誕生以来、世界中の開発者が、Cやその派生言語「C#」「C++」「Objective-C」でアプリケーションを開発し続けている。

 本連載はCの歴史と、アプリケーション開発におけるCの役割の変遷を振り返る。歴史を学ぶことで、Cやその派生言語が、組み込みシステムの制御やデータ処理といったプロジェクトに役立つ理由を理解しやすくなる。

CとUNIXの“ただならぬ関係”とは?

 Cは通信技術の研究開発を手掛けるベル研究所(Bell Laboratories)が開発したOS「UNIX」で、OSの中核ソフトウェア「カーネル」を動かすためのプログラム開発に使われたのが始まりだ。当時の目標は、可能な限り少ないソースコードでカーネルを動かすことだった。この目標を実現するUNIX用プログラミング言語の作成に取り組んだのが、ベル研究所の従業員ケン・トンプソン氏だ。この取り組みの成果として、プログラミング言語「BCPL」(Basic Combined Programming Language)の改訂版である「B」が生まれた。Bは、代入演算子やシンプルな構文などを備えるプログラミング言語だ。

 トンプソン氏の作業に基づいて、1972年にベル研究所の従業員デニス・リッチー氏がCを生み出した。リッチー氏が重視したのは、文字処理の面倒さをはじめ、Bに存在する構造上の幾つかの欠点に対処することだった。 最終的にCは、BCPLの基礎を継承しつつ、データの種類ごとに規約を定めた「データ型」という独自の構造を組み込んだ。

 ベル研究所は1969年にUNIXの開発を始めた。当初は「アセンブリ言語」(コンピュータが直接解釈できる「機械語」に一対一対応したプログラミング言語)で開発していたところを、1972年にCで書き直した。ベル研究所は、UNIXを実装するプログラミング言語としてのCの設計を論文「The Development of the C Language」にまとめている。


 第2回は、Cの革新性を広く知らしめるきっかけとなった「K&R版C」の特徴を紹介する。

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