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「RDoS」(ランサムDoS)攻撃とは? DDoS攻撃の新たな手口ウクライナ危機がサイバー攻撃に及ぼす影響【後編】

セキュリティベンダーのRadwareによると、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で「DDoS」攻撃の傾向に変化が生じている。具体的に何が起きているのか。同社の調査結果を基に探る。

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 セキュリティベンダーのRadwareは、2022年上半期(1月〜6月)の脅威を分析したレポート「2022 H1 Global Threat Analysis Report」で、「DDoS」(分散型サービス拒否)攻撃の観測件数が増加傾向にあると指摘した。ロシアとウクライナの間のサイバー攻撃が活発になっていることが、その背景にあると同社は説明する。

新たな手口「RDoS」も登場 変化するDDoS攻撃

 Radwareは今回のレポートで、2022年第1四半期(1月〜3月)と第2四半期(4月〜6月)に同社がブロックしたイベント数がそれぞれ、前年同期比でほぼ倍増したことを明らかにした。2022年上半期にブロックしたイベントのデータ量は、1カ月当たり3.39TBに相当するという。

 2022年上半期、DDoS攻撃の規模は著しく縮小したとRadwareは説明する。同社によると、1秒当たりのデータ量で見たDDoS攻撃の平均規模は、2021年第4四半期(10月〜12月)には139Mbpsだったのに対し、2022年第1四半期には73.3Mbps、第2四半期には63.5Mbpsとなった。ただし同社によれば、大規模なDDoS攻撃も依然として発生している。同社が対処したDDoS攻撃の中には、総データ量が2.9PBで、36時間続いた攻撃があったという。

 Radwareによると、2022年上半期のセキュリティトレンドとして、「ランサムDoS」(RDoS)と呼ばれる攻撃の広がりがある。RDoSは、標的に対して「身代金を支払わなければ、DDoS攻撃を実施する」と脅迫する攻撃だ。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃集団「REvil」が2022年に実施したRDoS攻撃では、脅迫文が攻撃ペイロード(攻撃者による悪質なプログラムの実行を可能にするコンポーネント)に埋め込まれていたという。

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