「5G」通信に潜む脅威【後編】
5Gの普及で「大規模DDoS攻撃」の危険性が高まる理由とは?
「5G」(第5世代移動体通信システム)通信が拡大すると、大規模な「DDoS攻撃」の被害が懸念されると専門家は語る。それはなぜなのか。
前編「『5G』導入前に知っておきたい、通信事業者が恐れるセキュリティリスクとは?」では、モバイル通信規格「5G」(第5世代移動体通信システム)のセキュリティに関する懸念について、市場調査会社Business Performance Innovation Network(BPI Network)とセキュリティベンダーA10 Networksのレポート「Opportunities and Challenges in a 5G Connected Economy」(5Gでつながる経済の機会と課題)に基づき説明した。A10 Networksの製品マーケティング部門のシニアディレクターであるポール・ニコルソン氏によると、5G通信のセキュリティにおける懸念点の一つは「通信量とデバイスの増加」にあるという。
後編は、ニコルソン氏が挙げる2つ目の懸念点「サービス停止を狙った大規模なDDoS(分散型サービス拒否)攻撃などの外部要因」を解説する。
5G通信の導入で通信速度や通信容量、遅延が改善すると、ネットワークの可能性も大きく広がる。ただし、こうした進化により、より深刻な攻撃が起きる危険性も高くなる。上述の調査で回答した企業が、セキュリティに関して非常に懸念を示していたのがDDoS攻撃だ。回答企業の63%は、サイバー攻撃の大規模化や巧妙化に対抗するためDDoS対策の強化が重要だと答えている。
5GがDDoS攻撃を危険にする理由
2016年には、マルウェア「Mirai」がbotネットを形成し、大規模DDoS攻撃に利用したことが明らかになった。ニコルソン氏によるとA10 Networksは現在、約2300万種類のDDoS攻撃ツールが存在し、攻撃者がいつでも攻撃を仕掛けられる状態にあることを把握している。
2018年2月末には、ソースコード共有サービス「GitHub」を標的とする最大1.35Tbps規模のDDoS攻撃が仕掛けられた。この攻撃は、メモリキャッシュツール「Memcached」用サーバの誤った構成を悪用する「リフレクション攻撃」だった。リフレクション攻撃とはリクエストを偽装したDDoS攻撃の一種で、ニコルソン氏は「複数の種類のデバイスを利用した最も大規模な攻撃だ」と懸念を示す。
DDoS攻撃は一般的に、インターネットに接続するデバイスを標的とする。そのためデバイスが増加を続け、5G通信が広がってより多くのデバイスがインターネットに接続するようになると、DDoS攻撃がさらなる脅威をもたらす恐れがある。攻撃の頻度だけでなく、攻撃が広がる速度と範囲も拡大するだろう。
5G通信が普及すると、インターネット接続するデバイスはさらに増えるだろう。5G通信によって、このようなデバイスで発生する通信の速度も大幅に向上する。「DDoS攻撃は氷山の一角にすぎないと当社は考えている」(ニコルソン氏)
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「5G」通信に潜む脅威
「5G」(第5世代移動体通信システム)の実用化が進み、インターネットに接続するデバイスはますます増えている。そうした現状の中、通信事業者が懸念するセキュリティリスクを理解し、通信の安全性を確保することが大切だ。
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