Azureの仮想マシンサービス「Azure VM」の料金はこうして決まる:「Azure VM」の利用料金を抑えるには【前編】
「Microsoft Azure」の仮想マシンサービス「Azure VM」の利用料金は、複数の要素に左右される。Azure VMの利用料金を見積もる際の基本的な考え方を説明する。
代表的なクラウドサービスである仮想マシン(VM)サービスには、各ベンダーが基本料金を設定している。契約するオプションや構成が変われば、最終的な料金は変わる。
Microsoftはクラウドサービス群「Microsoft Azure」のVMサービス「Virtual Machines」(以下、Azure VM)に、さまざまな料金プランを用意している。利用状況に応じた割引もある。本連載は、Azure VMの各料金プランの長所と短所、最適な料金プランの選び方、コスト削減に役立つ割引オプションを説明する。
Azure VMの利用料金の基本的な考え方
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Azure VMの料金は、以下の3つの要素に基づいている。
要素1.選択するインスタンスタイプ
MicrosoftはAzure VMのインスタンス(仮想サーバ)タイプを豊富に用意している。各インスタンスタイプは、CPU(中央処理装置)のコア数やCPUの種類、メモリの容量などが異なる。GPU(グラフィックス処理装置)を備えるインスタンスタイプもある。インスタンスタイプごとに利用料金が異なる。
要素2.インスタンスの運用時間
基本的にインスタンスの利用料金は分単位で発生する。インスタンスの実行時間に基づく課金なので、インスタンスを構成しても実行しなければコストは発生しない。
要素3.選択する料金プランの種類
Azure VMには複数の料金プランがある。インスタンスの1分当たりの料金は、選んだ料金プランに応じて変化する。
インスタンスの利用料金以外にかかるコスト
Azure VMには、次の追加料金がかかることがある。
- データ転送料金(エグレス料金)
- データをAzure内の別のリージョン(地域データセンター群)や、Azure以外のインフラに移動する場合はデータ転送料金が発生する。
- 永続ストレージ
- VMに永続ストレージが必要な場合、Azureのディスクストレージサービス「Azure Managed Disks」を利用できる。Managed Disksの利用料金は、Azure VMとは独立して発生する。
ユーザー企業はAzure VMの利用時に、これらの機能やサービスを必ず利用するとは限らない。ただしインスタンスの利用料金以外に、こうした追加コストが発生する可能性を考慮する必要がある。
中編はAzure VMの料金プランのうち「従量課金制」(Pay as you go)と「Azure Reserved Virtual Machine Instances」(Azure Reserved VM Instances)を詳しく説明する。
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