給料が増えても「ITエンジニア」が転職を考えるのはなぜ?:ITエンジニアの給与・採用事情【中編】
企業は良い給与を提示して、ITエンジニアを囲い込もうとしている。ところがそれを蹴って新たな職を探すITエンジニアもいる。それはなぜなのか。
転職支援サービスを手掛けるHiredは、ITエンジニアの採用市場に関する調査を実施した。2019年1月から2022年6月までに同社が仲介した90万7000件以上のITエンジニアの面接を分析し、レポートにまとめた。その数字から採用市場の傾向を見てみよう。
ITエンジニアが給料増でも転職を考える理由
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連載:ITエンジニアの給与・採用事情
エンジニアの勤労事情
ITエンジニアの給与は米国、英国、カナダで伸び続けている。英国のITエンジニアの給与は2022年、他国よりも低かった。2021年と比較すると、約7万6000ポンドから約8万3000ポンドに増えているが、米国やカナダには後れを取っている。ITエンジニアの2022年の平均給与は米国が約15万9000ドル、カナダが約13万3000カナダドルだった。
経験が浅い求職者の給与は、2021年から2022年にかけて米国は横ばい、カナダは減少、英国は増加した。ただしITエンジニアは、給与の伸びが生活費の上昇に追い付いていないと考えている。調査対象者の57%は、「今後半年の間に、自分に合う職業への転職活動を計画している」と回答した。
IT人材の獲得市場は依然として競争が激しい。レポートはこう指摘する。「企業は優秀な人材を採用し、求職者の期待に応え、転職を防ぐために高水準の給与を提示してきた。企業が報酬を見直す中で、この傾向が弱まるかどうかはまだ分からない」
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