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“AI絵師”がアートコンテストでまさかの優勝 物議の作者が口を開いた画像生成AIは“クリエイティブな泥棒”か【第4回】

画像生成AIモデルを用いたアート作品が、コンテストで入賞を果たした。作者は何をきっかけに、AI技術を活用したアート作品制作を始めたのか。AIアートをどう捉えているのか。

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 アーティストが、画像生成に特化した人工知能(AI)モデルを活用することで、アート作品の制作時間を短縮できる可能性は大いにある。ただしアーティストが創造性を発揮するのに必要な時間がゼロになるわけではない。

「AIアート」が受賞したことの意味

 ゲーム制作会社Incarnate Gamesのプレジデントであるジェイソン・M・アレン氏は、アーティストでもある。アレン氏は米コロラド州のイベント「Colorado State Fair」におけるアートコンテストにアート作品『Theatre D'Opera Spatial』を出展し、デジタルアート部門の最優秀賞を獲得した。同氏は80時間かけてTheatre D'Opera Spatialを制作したという。

 Theatre D'Opera Spatialの制作にアレン氏が利用したのが、AI技術を使った画像生成サービス「Midjourney」だ。同氏はMidjourneyのβテストユーザーで、2022年にMidjourneyを使い始めたという。同氏がMidjourneyに引き付けられたのは、「インターネットで見たMidjourneyによるアート作品が、これまで見たことのないような作品に見えたからだった」と話す。「Midjourneyによる作品は、新しいアートムーブメントだ」(同氏)

 アレン氏は、Midjourneyを使って望み通りの画像を生成する方法を習得してから、Theatre D'Opera Spatialの制作に着手した。生成したい画像の元になるフレーズや単語を試行錯誤しなければ、自分が望む結果は得られない。「『思い通りの画像を得る方法』がスキルになる」と同氏は述べる。

 Theatre D'Opera Spatialの受賞に対する反発は「予想外だったが、理解はできる」とアレン氏は語る。「これまでいろいろな人が、『AIモデルがアート作品を生み出す力は、人と同等であるはずがない』と信じていた。だがそれは間違いだと分かった」と同氏は強調。「利用できる力を否定しない方がよい」と言い添える。


 第5回は、企業がビジネスに画像生成AIモデルを活用する上での可能性と注意点を説明する。

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