Androidユーザーの居場所が丸見え Google「位置情報追跡」は何が問題だった?:ロケーション追跡の慣習は変わるか【前編】
エンドユーザーのロケーション追跡をめぐって米国40州が起こしていた訴訟は、Googleが約4億ドルの和解金を支払うことで決着した。そもそも何が問題だったのか。今回の和解が及ぼす影響とは。
「Googleによるロケーション(位置情報)追跡はプライバシー侵害に当たる」。こう判断した米国40州はGoogleを提訴。両者は2022年11月、Googleが3億9200万ドルの和解金を支払うことで合意した。これは2022年第3四半期の売上高が700億ドル近くに達しているAlphabet(Googleの親会社)にとっては軽い処分だと言える。
Googleの何が問題だったのか?
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米国の40州は、2020年からGoogleを提訴してきた。訴えによると、GoogleはモバイルOS「Android」搭載デバイスのエンドユーザーに「ロケーション履歴はいつでもオフにできる」と保証していた。だがエンドユーザーがロケーション履歴を無効にしても、GoogleはWebサイトやWebアプリケーションの利用履歴といった他のデータによって、エンドユーザーのロケーションを追跡し、保存できると各州は主張していた。
Googleは2022年11月14日(現地時間)に公開した公式ブログのエントリ(投稿)で、米国40州との和解を説明した。Googleは和解金を支払うとともに、自社サービスを更新してロケーションに関する透明性を高め、管理方法の拡充を進めるという。
一部の専門家は、Googleが和解金を支払い、改善を確約しても、各社のロケーション追跡の慣行が変わるまでには至らないと考えている。「エンドユーザーを追跡する仕組みを大規模に展開すると、その解除はとんでもなく高コストで複雑になる」と、調査会社Deep Analysisの創業者アラン・ペルツシャープ氏は指摘する。
中編は、ロケーション追跡に影響を及ぼすプライバシー保護法の動向を解説する。
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