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メタバースはもう遊びじゃない MicrosoftもQualcommもMetaに急接近の“必然”そして「メタバース」へ【後編】

「Snapdragon」シリーズの拡充とMeta Platformsとの連携により、メタバース市場での存在感を強めようとしているQualcomm Technologies。MicrosoftもMetaと組んでメタバース市場への意欲を見せる。各社の狙いとは。

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 Qualcomm TechnologiesのCEOクリスティアーノ・アモン氏は、同社がMeta Platforms(旧Facebook)と複数年にわたる戦略的パートナーシップを結んだことを明らかにした。QualcommのSoC(CPUや関連プロセッサをまとめた統合型チップ)「Snapdragon」シリーズを搭載したデバイスで、「XR」(現実世界と仮想世界を融合させる技術の総称)技術を活用することが狙いだ。

メタバースは「一生に一度レベル」の変化――その真意は

 アモン氏がMetaとのパートナーシップを発表したのは、MetaがMicrosoftとパートナーシップを締結し、未来の職場を創出するための新しい没入型空間の実現を表明した直後だった。MetaとMicrosoftによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)がもたらしたテレワークの浸透によって、企業と従業員は「一生に一度レベル」のワークスタイルの変化を経験している。

 ワークスタイルが変化する中、Microsoftはメタバース(巨大仮想空間)のユーザー企業を支援するため、Metaと提携したさまざまな計画を発表した。第一弾として、MicrosoftのMR(複合現実)サービス「Mesh for Microsoft Teams」を、Metaのヘッドマウントディスプレイ(HMD)「Meta Quest」シリーズと連携させる。Mesh for Microsoft Teamsは、同僚が仮想空間に集まって共同作業をすることを支援するサービスだ。スマートフォン、ノートPC、HMDといったデバイスで利用できる。MetaのHMDのうちハイエンドモデル「Meta Quest Pro」やエントリーモデル「Meta Quest 2」でMesh for Microsoft Teamsを利用すると、離れた人同士が実際に会っているかのように連携し、共同作業ができるようになるという。

 調査会社CCS Insightのエンタープライズリサーチ部門チーフであるボラ・ロティビ氏は、「Microsoft製品が企業に浸透していることを考えると、MicrosoftとMetaの提携は非常に重要だ」と話す。ロティビ氏は両社の連携が、さまざまな企業がメタバースを日常業務に活用するきっかけになると期待する。

 QualcommとMetaの連携ないしMicrosoftとMetaの連携に関する発表は、「企業にとってメタバースを『信頼できる世界』にしたい」というマーク・ザッカーバーグ氏の決意を裏付けるとロティビ氏は考える。「多くの人がXRをまだ、ゲームやコンシューマー向けアプリケーションと結び付けて考えているだけであることを考えると、Qualcommの取り組みは重要な次のステップだと言える」(同氏)

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