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「円安でクラウド破産」を避ける具体的な方法とは?クラウドサービスの円安対策【後編】

円安によって「AWS」「Azure」「GCP」の利用料金が上昇している。コストを節約して、クラウド利用時の円安の影響を抑えるにはどうすればよいのか。クラウドベンダーは円安に対し、どのような施策を講じているのか。

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 海外ベンダーのクラウドサービスの利用料金は、基本的にドルで計算する。そのため日本企業にとって、Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)などのクラウドサービスの利用料金は、円安ドル高になると高くなる。前編に続き、クラウドサービスのコストを節約する方法と、円安ドル高に関するAWSとMicrosoft、Googleの見解を取り上げる。

クラウドのコストを抑制する“見直しのポイント”は

 AWSの「AWS Trusted Advisor」やMicrosoftの「Azure Advisor」、Googleの「Active Assist」などのクラウド管理ツールは、エンドユーザーの各クラウドサービスの利用状況を分析。コストやセキュリティ、耐障害性などの項目別に、効果的なサービスの利用方法を提案する。各ツールのコスト管理機能を使うことで、ユーザー企業は「利用率の低いインスタンス(仮想サーバ)」や「コスト削減効果が高い『リザーブドインスタンス』といった予約インスタンス型割引プラン)」などの利用状況を把握できる。各ツールの推奨事項を基にクラウドサービスを利用することで、リソースの“無駄遣い”が減り、利用料金の節約につながる可能性がある。

今後のクラウドベンダーの円安対抗施策は

 オンプレミスインフラのアプリケーションを、内部構造を変えずにクラウドサービスのインフラへ移行させた場合は、サーバの負荷分散やデータ処理の仕組みが非効率な状態のままになっていることがある。アプリケーションサーバの存在を前提としない「サーバレス」や、複数のサービスを組み合わせる「マイクロサービス」といった、クラウドインフラに適した内部構造にアプリケーションを改修することで、無駄なリソースの消費を抑制してコストを削減しやすくなる。

 AWSとGoogle、Microsoftは2022年12月時点では、為替レートを固定した利用料金の支払いや、円安を受けた割引プランといった施策を提供していない。AWSは利用料金の高騰に悩むユーザー企業の相談に個別に応じ、クラウドサービスの利用状況に合わせてコスト削減の手法を提案する意向だ。Googleは同社のクラウドサービス群の利用料金について、ユーザー企業のリソースの調達をより容易にするために、市場の状況に合わせて利用料金や利用方法を見直していると説明する。Microsoftは複数のライセンスオプションを用意することで、顧客のニーズに応えるという。

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