“IT業界に女子がいない”を常識にしては駄目――女性開発者が立ち上がった訳:女性開発者を増やすには【前編】
IT業界はダイバーシティーの課題を抱えている。女性開発者のアナ・シードレ氏は、IT業界で働くようになってから、男女比率の偏りを強く「問題だ」と意識するようになったという。その背景とは。
女性開発者のために企業が今すぐ取り組めることは何か。認証技術ベンダーOktaでインターナショナルデベロッパーリレーション責任者を務めるアナ・シードレ氏の寄稿を紹介する。
“女子がいないIT業界”を変えたい――その譲れない理由
IT業界は男性が圧倒的に多い。それはシステム開発者も例外ではない。開発者コミュニティーに男女の不均衡があることを人々が広く認識する中、「ジェンダーダイバーシティー」(性的多様性)という言葉がよく取り上げられるようになった。その割には、IT業界では男女の不均衡があまり改善しているようには見えない。私は身をもってそれを知った。
何かを変えなければならない。そのために、あなたも動き出してほしい。
私は何をしてきたのか
私は少し変わった経歴でIT業界に入った。独学でシステム開発を学び、2012年ごろにシステム開発分野で働き始める前は、アート分野に身を置いていた。大いに私を助けてくれ、さまざまなことを教えてくれた開発者コミュニティーには感謝している。
他方で、IT業界にはダイバーシティー(多様性)の課題が複数あり、男女比に偏りがあることがすぐに分かった。IT業界で働く女性にとって、オフィスを見回すと男性ばかりで女性は自分だけ、ということはよくある話だ。これまで仕事関係で撮ってきた写真を振り返ると、写真の中の女性は私だけということは珍しくない。私がかつて経験したような、自分の意見がかき消される体験を、娘にはしてほしくないと思う。
IT業界における女性の少なさに触れ、IT業界のダイバーシティーとインクルージョン(包摂性:誰も排除しないこと)を高めたいという気持ちが強くなった。そこで私は、開発者コミュニティーのジェンダー平等提唱者になろうと考えた。開発者コミュニティーが私を後押ししてくれたのと同じように、望む変化を私自身が実践し、女性率が低い集団の障壁を取り除いて発展の手助けをしたいと思った。自分が住んでいるスペインのガリシア州で、IT業界の女性を支援する団体GalsTechを設立した。
性別やバックグラウンドに関係なく、女性がIT業界でキャリアを積み、女性も開発者になれると感じてもらえるように応援したい。
後編は、IT業界のダイバーシティーとインクルージョンのために、企業や従業員ができることは何かについて、シードレ氏の見解を紹介する。
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