衝撃の「ChatGPT」 その可能性と“限界”とは?:「ChatGPT」は開発者を不要にするか【前編】
公開から1週間で100万人が利用した「ChatGPT」。製品ジャンルとしては「チャットbot」だが、そうした分類にとらわれ過ぎると、ChatGPTの実力を見誤る可能性がある。そもそもChatGPTとは何なのか。簡潔にまとめた。
「ChatGPT」は、アプリケーション開発や開発者そのものを大きく変える可能性がある――。専門家はこう口をそろえる。ChatGPTはチャットbotだが、単純なチャットbotではない。人間の会話をシミュレートし、ソースコードさえも書くことができる、人工知能(AI)エンジン搭載のチャットbotだ。
「ChatGPT」とは? その侮れない実力と“限界”
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AI技術の研究を手掛けるOpenAIは2022年11月30日(現地時間)、ChatGPTを公開した。ChatGPTの無料のリサーチプレチューに登録したエンドユーザーは、公開から1週間で100万人を超えた。
ChatGPTは「JavaScript」「Python」「React」などのプログラミング言語で、簡単なWebページやアプリケーションのソースコードを書くことができる。ソースコードのバグを発見したり、新しいプログラミング言語の開発を支援したりすることも可能だ。OpenAIによれば、ChatGPTは対話形式で自分の間違いを認めたり、間違った前提に異議を唱えたり、不適切な要求を拒否したりする。
銀行の勘定系アプリケーションといった複雑なアプリケーションの構築に必要な、複雑なソースコードを記述することは、ChatGPTにはまだできない。ただしChatGPTは「今後10年以内には熟練したプログラマーになる」と、カリフォルニア州コンコードのフリーランス技術コンサルタント、ロブ・サスエタ氏はみる。「妙に怖いが、わくわくする。複雑な気分だ」(サスエタ氏)
調査会社GlobalDataのアナリスト、シャーロット・ダンラップ氏は、サスエタ氏の予測に賛同しつつも、ChatGPTによる変化は「もっと早く訪れる」と考えている。OpenAIの自然言語生成システム「OpenAI Codex」を搭載した、ソースコードのオートコンプリートツール「GitHub Copilot」が2021年に登場してから、ChatGPTが登場するまでの期間は「ほぼ一夜だった」とダンラップ氏は指摘。ChatGPTによる変化は「2、3年で起こる」とみる。
AI技術の調査機関であるMontreal AI Ethics Instituteの創設者兼プリンシパルリサーチャー、アビシェーク・グプタ氏は「この進歩がどのような形になるかは、誰にも分からない」と指摘する。ChatGPTをはじめとする、AI技術でテキストや画像などを自動生成する「ジェネレーティブAI」(生成型AI)が広く普及することを正確に予測できた人は「1年前には存在しなかった」とグプタ氏は指摘。「3年後、10年後に何が起こるかを予測することは不可能だ」と言う。
次回は、ChatGPTなどのジェネレーティブAIが開発者にもたらす影響を解説する。
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