日本と英国が「政府DX」で協力するまで――これまでの道のりを振り返る:DXで協力する日英政府の狙いと歩み【後編】
日本政府と英国政府は、公共部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けた協力協定を締結した。それまでに、両政府はさまざまな形で協力してきた。足取りを振り返る。
行政サービスや政府機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に向けた協力覚書(MoC)に、日本政府と英国政府が2022年10月に署名した。両政府はこのMoCを交わす前の2022年5月にも意見交換を実施し、デジタル分野に関する協力関係を深める意向を示していた。
「日本と英国がDXで協力」までの道のり
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連載:DXで協力する日英政府の狙いと歩み
英国のデジタル化施策
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日本の総務大臣である金子恭之氏と英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department for Digital, Culture, Media & Sport)大臣のナディーン・ドリーズ氏は2022年5月、日英のデジタル分野における政策課題について意見を交わし、協力を深化させる必要性を確認していた。この協力関係は、インフラ、データ、規制、標準化、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、両政府がデジタル化の優先項目として挙げる要素が対象になる。
日本と英国は2022年3月にも、通信ネットワークで使用する技術の多様化に向けた取り組みに関して、協力強化計画を発表していた。この取り組みは日英の政策アプローチに関する情報共有の強化も含む。こうした活動を通じて両政府は、「5G」(第5世代移動通信システム)や将来の無線ネットワークといった通信機器について、さらに競争力を高め、多様性を備えた世界市場の構築を目指している。
これまでも日本と英国はさまざまな協力協定を締結してきた。2020年9月には「日英包括的経済連携協定」(CEPA)を締結。英国はCEPAによる年150億ポンドの貿易額増加を見込んでいる。
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