Qualcommが“5Gだけ”ではなく「衛星通信」にも乗り出す理由:次世代スマホが搭載する通信技術【後編】
スマートフォン向けの半導体製品を提供するQualcommが、衛星通信機能「Snapdragon Satellite」を発表した。スマートフォンをはじめとした端末で何ができるようになるのか。
半導体ベンダーのQualcomm Technologiesは2023年1月、スマートフォン向けの衛星通信機能「Snapdragon Satellite」を発表した。まずはモバイルOS「Android」搭載端末でのSnapdragon Satelliteの利用が見込まれているが、同社によれば活用の可能性があるのはそれだけではない。
5Gだけではなく、なぜ「衛星通信」も?
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Qualcommによれば、Snapdragon Satelliteは衛星通信による双方向メッセージングを実現する機能だ。スマートフォンでの利用以外にも、ノートPCやタブレット、自動車、IoT(モノのインターネット)機器などでも利用できる可能性があるという。
「通信事業者やアプリケーションベンダーはSnapdragon Satelliteを活用することで、衛星通信を利用する独自サービスを用意し、他社との差別化を図れるようになる」。Qualcomm Technologiesはそう説明する。
将来的には、「5G」(第5世代移動通信システム)が使える場所を地球全域へ広げる「5G NTN」がSnapdragon Satelliteで実現する可能性もある。非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Networks)用の通信衛星、コンステレーション(複数機の通信衛星を協調させて機能させるシステム)などがそのためのインフラになる。
GPS(全地球測位システム)機能搭載の製品を提供するGarminは、Snapdragon Satelliteを使って緊急SOSサービスを提供する。Garminでアウトドア部門のバイスプレジデントを務めるブラド・トレンクル氏は、「世界中のスマートフォンユーザーに、当社の緊急SOSサービスを利用してもらう良い機会だ」と話す。
Garminの緊急時問い合わせセンター「Garmin Response」は、さまざまなSOSに対処しており、救命の豊富な実績を持つ。「Qualcommと連携し、スマートフォンユーザーがどのような場所にいても、緊急SOSサービスを利用できるように支援する」(トレンクル氏)
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