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サイバー保険は脅威の激化でどう変わる? 契約者が得する「CATボンド」とはサイバー保険のこれから【前編】

サイバー脅威が拡大する中で、サイバー保険会社はリスク管理の手法を再考しつつある。具体的にどのような変化があったのか。

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 2023年1月、企業向けの保険会社Beazleyは、4500万ドル相当のサイバー大災害債券(CATボンド)を発行したことを発表した。これにより同社は、サイバー脅威の拡大による財政リスクの軽減を見込む。

サイバー脅威の拡大で変わる「サイバー保険」

 ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の脅威が拡大している近年、サイバー保険への注目が集まっている。一方で保険加入者は、保険料の急激な値上げや、保険の加入条件の厳格化といった懸念を抱えている。新しい仕組みとしてCATボンドが登場したことで、この状況は改善する可能性がある。

 CATボンドは、一定条件を満たす災害が発生した場合、発行者が償還する元本の一部や全額が免除される証券の一種だ。保険会社はCATボンドを発行することで、大規模な自然災害の補償による財政損失のリスクを軽減できる。

 米フロリダ州でハリケーン「アンドリュー」が273億ドル相当の被害を引き起こした1990年代に、CATボンドの概念は登場した。投資家はCATボンドに出資する際、一定の元本割れのリスクを伴うことになる。

 保険会社がより大きなリスク負担能力を確立する上で、CATボンドは役に立つ。Beazleyはこの仕組みをサイバー保険に応用。同社の保険契約者がサイバー攻撃の被害を受け、被害に伴う請求額が3億ドルを超えた場合に、CATボンドに投資した資金を補償金の支払いに当てることができるようにした。


 中編は、サイバー保険の動向を紹介する。

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