IPアドレス「IPv4」と「IPv6」は結局何が違う? 数だけではないバージョン論争:じっくり考察する「IPアドレス問題」【第3回】
インターネットへの接続時に欠かせない通信プロトコル「IP」(インターネットプロトコル)には、「IPv4」と「IPv6」というバージョンがあり、IPアドレスが異なる。2つは何が違い、IPv6には何が見込めるのか。
インターネットで通信する際に必要となる「IPアドレス」。最も普及しているIP(インターネットプロトコル)のバージョン「IPv4」のIPアドレス(IPv4アドレス)だけではなく、近年は次世代のバージョン「IPv6」のIPアドレス(IPv6アドレス)も使われている。2つは結局のところ何が違うのだろうか。IPv6にすると何か利点を見込めるのか。
「IPv4」と「IPv6」は“数”以外に結局何が違う?
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連載:じっくり考察する「IPアドレス問題」
IPアドレスにまつわる問題
IPv4アドレスの数は、約40億個という上限がある。これではインターネットに接続する世界中のデバイスにIPアドレスを割り当てることができない可能性があるため、IPv6アドレスが使用されるようになっている。IPv6は“次世代”とはいえ、インターネット標準化団体「Internet Engineering Task Force」(IETF)がIPv6を開発したのは1990年代のことだ。
32bitで構成するIPv4アドレスに対し、IPv6アドレスは128bitで構成する。IPv6アドレスの割り当て可能な数は、最大340澗(かん)となるため、IPv4アドレスよりもはるかに多い。340澗は「340兆の1兆倍の1兆倍」という数値になる。
IPv6アドレスは、128bitを8つに区切り、16進数で表記する。IPv6アドレスは16進数を使用することから、アドレス内に「A」から「F」までの英字アルファベットを含む。例えば「2001:DB8:1234:0:A1EA:A004:4001:53C8」といった形になる。32bitを4つに分けて「ドット」で区切るIPv4アドレスとは異なり、IPv6アドレスは「コロン」で8つのセグメントを区切る。
以下が、IPv6アドレスの主なメリットだ。
- 単一のデバイスから複数のデバイスにデータを一斉送信する「マルチキャスト機能」が、IPv4アドレスと比べて充実している
- IPアドレスの自動設定機能が組み込んである
- 通信品質(主に通信速度)の劣化しにくさを期待できる
- 通信の暗号化を標準で実装している
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