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クラウドをどう使えば「エネルギー問題」まで議論できるのか? ナデラ氏が語るMicrosoftのCEOが語る「これから必要な技術」【第2回】

エネルギー効率と二酸化炭素排出量の削減を考える上で、クラウドサービスの利用は重要な意味を持つ。ただしMicrosoftのCEOは「単にリフト&シフトしただけでは意味がない」と強調する。それはなぜか。

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 Microsoftは2022年11月中旬にシンガポールで、アジア太平洋地域の開発者やスタートアップ企業向けのイベントを開催。講演に登壇した同社CEOのサティア・ナデラ氏は「エネルギー転換への道のりを切り開くに当たって、クラウドコンピューティングは重要な役割を果たす」と主張した。

 しかしこれは、オンプレミスシステムをそのままクラウドサービスに移す「リフト&シフト」だけで達成できるような話ではない。

エネルギー効率を考えると、クラウドの使い方が変わる?

 「エネルギー効率を高めるクラウドネイティブ(クラウドコンピューティングに最適化した技術や設計)を使ったアプリケーションの構築に着手しなければならない」とナデラ氏は語る。同氏は調査会社Gartnerが予測した「2025年までに95%のアプリケーションがクラウドネイティブになる」というデータを紹介した。

 こうした背景から、ナデラ氏はクラウドサービス群「Microsoft Azure」は「全体的な成長が期待できる」と強気な姿勢を示し、アジア太平洋地域におけるデータセンターの増強計画を説明した。同氏によれば、オンプレミスのデータセンター、複数のクラウドサービス、エッジデバイスなど、クラウドネイティブの機能を分散させて使う場面が広がる中、複数のシステム環境を一元管理するためにMicrosoftは「Azure Arc」という管理用サービスを提供している。

 ナデラ氏は、Microsoft Azureの分散クラウドコンピューティング技術を利用するアジア太平洋企業の一例として、マレーシアにある石油とガス供給の大手企業Petronasを挙げた。同氏の説明によれば、Petronasは自社のエネルギー転換計画に関してさまざまな取り組みを進めている。HPC(高性能計算)からバックオフィスのデジタル化まで、同社はさまざまなニーズを抱えているという。


 第3回は、データ分析やAI(人工知能)モデル構築など、Microsoftの最新技術を取り込んだ「データベース設計の理想像」について紹介する。

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