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コオロギだけじゃない「昆虫食」を“当たり前”にするためのAI活用術AIで進化する「食用昆虫」産業【第3回】

昆虫養殖の効率化に人工知能(AI)技術を生かす動きが活発化している。コオロギ食をはじめとする昆虫食の世界的ブームを受けて、食用昆虫の安定生産が重要になる中、AI技術は昆虫養殖にどう役立つのか。

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データ分析 | 環境保護


 環境に配慮した食料として台頭しつつあるのが、コオロギをはじめとする昆虫だ。昆虫養殖場支援ベンダーのEntoverseは、コオロギの行動データを分析した結果を基に、養殖場の改善を推し進めている。同社は食用昆虫(食料としての昆虫)や環境保全の分野において、人工知能(AI)技術を活用しており、同様の動きは世界的に広がっている。具体的にはどのような動きがあるのか。

昆虫食を“当たり前”にするためのAI活用

 昆虫の遺伝子研究に取り組む研究所が次々に誕生している。こうした研究所は、コオロギやアメリカミズアブ(BSF:Black Soldier Fly)といった昆虫を低温に強くしたり、より大きくしたりするために、遺伝子操作をすることがある。EntoverseのAIエンジンは、こうした遺伝子操作やその他の実験を監視するのに役立つと、同社の共同創設者兼CTO(最高技術責任者)であるドミトリー・ミハイロフ氏は説明する。

 コオロギの成長促進の手段として、Entoverseが医薬品製造用のAIモデルを基に構築したのが、餌に含める添加物のレシピを提案するAIモデルだ。ミハイロフ氏によると、同社はインドネシアのバンドン工科大学(Institut Teknologi Bandung)との共同実験を終えて、ユーザー企業にこのAIモデルを提供し始めている。

 Entoverseが目指すのは、昆虫養殖場における温室効果ガス排出量の削減に貢献することだ。その実現には「温室効果ガスの排出量を定期的に測定して、実際に削減できていることを証明する必要がある」とミハイロフ氏は語る。


 次回は、EntoverseがAIモデルのトレーニングで取り入れようとしている工夫を解説する。

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