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“きつい農業”を過去にする「AI農業」の可能性とは?農業用AIが秘める可能性【前編】

AI技術を活用することで、農業が直面しているさまざまな問題が解決する可能性があると専門家は指摘する。農業にAI技術はどのように生きるのか。具体的な効果を探る。

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 IoT(モノのインターネット)デバイスはAI(人工知能)技術を駆使して、データを収集、分析するようになりつつある。農業分野も例外ではない。

農家を救う“実用的”なAIとは

 「天候」「気温」「土壌の組成」といった、果物や野菜、家畜に影響を与える要因を理解して、収益を最大化することが、農業分野におけるAI技術活用の主な目標だ。「AI技術は人件費削減と生産性向上を後押しする」。データ分析ベンダーSAS Internationalの作物学担当ディレクターであるジョン・ゴツラ氏は、こう語る。

 農業におけるAI技術活用の焦点は、“壮大な野心”から、現実的な問題を解決するための“実用主義”に移りつつある――。ゴツラ氏はこう指摘する。例えば画像処理を通じて、その内容を識別するAI技術「コンピュータビジョン」は、以下を実現可能だ。

  • 太陽光の監視
  • 植物の健康状態の確認
  • 害虫の検出

 的確な分析に必要なデータ量は膨大であり、人がタイムリーに効果的な分析をすることはほぼ不可能だ。そこでAI技術やIoT、5G(第5世代移動通信システム)、衛生通信サービスの連携が鍵となる。これらの連携により、農作物の監視や、これまで手作業だった作業の自動化が可能になる。

 「AI技術は複雑な作業を自動化するだけではなく、これまで見えなかった気付きを得ることに役立つ」とゴツラ氏は述べる。温度や土壌、水やりのデータを収集するIoTデバイスは、作物の健康状態をより詳細に把握するためのデータを収集する。生産者はそれらを組み合わせることで、作物の生産量と、味などの品質の向上につなげることができる。


 中編は、農業におけるAI技術の活用例を紹介する。

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