“AIの在り方”を語るGitHubのCEOが「顧客との対面」にこだわる理由:GitHubのCEOが語る未来【第1回】
AI技術はさまざまな業務で実用化しており、アプリケーション開発分野も例外ではない。GitHub社のCEOが、AI技術と開発者の未来を展望するに際して、アジア太平洋地域(APAC)の主要市場を訪問した。その理由とは。
人工知能(AI)技術が問い合わせへの回答やソースコードの記述で活躍するようになってきた。それでも「開発者のニーズは今後もあり続ける」と、ソースコード共有サービスを運営するGitHub社(2018年にMicrosoftが買収)のCEO、トーマス・ドームケ氏は語る。
ドームケ氏が考える、アプリケーション開発分野でのAI技術の在り方とはどのようなものか。本連載は、アジア太平洋地域(APAC)の主要市場を訪問した同氏が、英Computer Weeklyの取材に対して語ったインタビューをまとめる。
なぜCEO自ら足を運ぶのか
ドームケ氏は、複雑な問題を解決することにおいて、人間の知性は依然として「AI技術より圧倒的に優れている」と考える。AI技術に単純なタスクを任せることで、人はより生産的になれる可能性があるという。
世界中の開発者が、ソースコードのホスティングに加えて、開発プロセスの自動化にGitHubを利用していることから、ドームケ氏はソフトウェア開発の最新動向をよく理解している。
―― 今回のAPAC訪問の意義と、滞在中に成し遂げたいことを教えてください。
ドームケ氏 3つの視点がある。1つ目は、企業のCEOにとって顧客と直接触れ合うことは非常に重要だということだ。サンフランシスコの本社など、当社の拠点に来てもらうことで私は顧客と接することができる。だがこちらから顧客の元に出向くことで、会議の進め方やオフィスなどを見て、どのような企業文化を持っているのかを確認できる。実際に見ることは、当社の「顧客最優先」というモットーの一部だ。
世界の反対側を見るのは、私にとっていつも刺激的な体験だ。私は、シリコンバレーや米国の文化全般に精通しているし、ドイツ人の一人として欧州の文化にも精通している。そのような私がAPAC地域を訪れることで、異なる視点を得ることができる。それは世界を見る上で重要なことだ。
第2回は、ドームケ氏のAPAC訪問における2つ目と3つ目の視点を紹介する。
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