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法律事務所はなぜ「文書管理」をクラウドサービスに移行したのか?:弁護士が使う文書管理システム【前編】
デンマークの法律事務所は文書管理にクラウドサービスを採用した。機密性の高い情報を扱う法律事務所は、製品選定において何を重視したのか。
デンマークやバルト海沿岸諸国に顧客を抱えるデンマークの法律事務所NJORDが、「文書管理システム」(DMS)をクラウドサービスに移行させた。従来利用していたシステムでは、同社の希望に沿った業務を実施できないと判断したためだ。
法律事務所が「DMS」に求めた“あの機能”とは
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文書の共有はNJORDの業務における、重要な機能の一つだ。従来利用してきた旧システムには課題があると判断した同社は、判例管理のためのシステムとシームレスな連携を実現する新しいDMSを導入することにした。使用する端末や場所を選ばずに、文書に安全にアクセスし、検索、編集ができる機能を重視した。
「DMSは、弁護士が利用する主要なシステムであると同時に、弁護士の業務を完結する場所だ」。NJORDで最高執行責任者(COO)を務めるコニー・フォークナー氏はそう話す。旧システムは、デンマークの法制度に合わせて設計されたERP(統合基幹業務システム)だった。このシステムを刷新する必要があると同社は判断した。
フォークナー氏は、「ERPにもDMSはあったが、当社の希望に沿うものではなかった」と説明する。NJORDが使ってきたERPの問題点として、同氏は以下を挙げる。
- バージョンの異なる文書を使った共同作業が難しい
- Microsoftのメールクライアント「Microsoft Outlook」や表計算ソフトウェア「Microsoft Excel」との連携の難しい
- ERPを介さないと文書にアクセスできない
後編は、NJORDが導入を決めたDMSと、何が導入の決め手になったのかを紹介する。
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