「テレワーク禁止」はAIの“あの大問題”の解決を遅らせる?:テレワークと人材確保の新たな関係【後編】
AIシステムが抱える問題の中には、開発に携わる人材のダイバーシティー欠如が関連しているものがある。それは何なのか。ダイバーシティーの向上にテレワークが役立つ理由とは。
「人材のダイバーシティー(多様性)向上を図る企業は、テレワークを許容することで、採用活動の範囲を広げられる」。転職支援サービスを手掛けるVettery(Hiredの名称で事業展開)のCEO、ジョシュ・ブレンナー氏はこう語る。それはどういうことなのか。IT企業が、ダイバーシティーを高めなければならない理由とは。
「テレワーク禁止」が解決を邪魔する“AIの大問題”はこれだ
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連載:テレワークと人材確保の新たな関係
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人工知能(AI)技術の専門家は「『アルゴリズムバイアス』を回避するためには、ダイバーシティーの確保が不可欠だ」と考えている。アルゴリズムバイアスは、バイアス(偏り)のある教師データで学習させた機械学習モデルが、不正確で公平性に欠けた結果を出力しやすくなることだ。テレワークを許容することで、企業は世界中の優秀な人材を確保しやすくなり、結果としてダイバーシティーを向上させやすくなる。
技術職で女性とアフリカ系人種の雇用率が向上しないことについて、米国のIT企業は批判を受けてきた。こうした声を受けて米国IT企業の間では、アフリカ系やヒスパニック系など、従業員の人種比率の中で割合の少ない人種を積極的に採用する動きがあるとブレンナー氏は指摘する。フロリダ州タンパ、アトランタ州、オハイオ州コロンバスなどの求人市場では、こうした人種のソフトウェアエンジニアとの面接希望件数が特に高くなっているという。
テレワークは労働者の間で当たり前の選択肢になりつつある。米国国勢調査局(United States Census Bureau)が2022年9月に公開した報告書「The Number of People Primarily Working From Home Tripled Between 2019 and 2021」によると、2019年から2021年の2年間でテレワーカー数は3倍増を記録した。テレワーカーが全労働者に占める割合は、2019年時点では5.7%(900万人)だったが、2021年時点では17.9%(2760万人)まで増加している。
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