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「AIウォッシング」とは? ChatGPTとは全然違う“偽のAI製品”に要注意AIウォッシングに警鐘【後編】

ジェネレーティブAIの実力を示したOpenAIの「ChatGPT」だけではなく、さまざまなベンダーが「AI」をうたうIT製品を相次いで市場に投入している。こうした中で注意が必要なのが「AIウォッシング」だ。

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 「AI」(人工知能)技術は「極めてあいまいに解釈されている」と、調査会社RPA2AI Researchでアナリストとして働くカシャップ・コンペラ氏は主張する。ベンダーの間では「取りあえず『AI』『機械学習』などと言っておけば、資金や人材は集まる」というジョークが飛んでいるという。

 OpenAIのAIチャットbot(AI技術を活用したチャットbot)である「ChatGPT」は、テキストや画像などを自動生成するAI技術「ジェネレーティブAI」(生成型AI)の可能性を世界中に知らしめた。ChatGPTに限らず、「AI」をうたうIT製品は山のようにある。こうした中で横行しているのが「AIウォッシング」だ。

 AIウォッシングとは何なのか。それは

  • 「AI技術を実装している」と偽って、ベンダーがIT製品の誇大広告を打ち出すこと

だとコンペラ氏は説明する。

ジョークでは済まない「AI」誇大広告の影響

 誇大広告の影響は、ジョークでは済まされない。誇大広告によって「個別のベンダーだけではなく、IT業界全体がマイナスの評価を受けることになりかねない」と、コンペラ氏はベンダーのマーケティング担当者に注意を促す。

 消費者に自社製品の購入を促す目的で、ベンダーはしばしば大げさな広告を打つことがある。こうした広告と、AI技術に関する意図的な誇大広告を明確に区別するのは難しい。

 AI技術を規制する法律は、まだ十分に整備されていない。こうした中、科学技術政策の評価機関である米科学技術政策局は2022年10月、「AI権利章典」(AI Bill of Rights)の草案を発表した。AI権利章典は、AIシステムの設計に携わる人が考慮すべき5つの原則を明示する。

 Northeastern University(ノースイースタン大学)のマイケル・ベネット氏によると、AI権利章典には法的拘束力はないものの、米連邦取引委員会(FTC)はAI権利章典が定める5つの原則を具体化し、AI技術に関する規制を強化しようとしている。ベネット氏は、同校のAI研究施設Institute for Experiential AI(EAI)で、AI技術の公平性や透明性を確保する「責任あるAI」(レスポンシブルAI)のビジネス責任者を務める。

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