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「スマート醸造所」に挑戦するビールメーカーが“技術以上”に重視した点とは?スマート醸造所実現への旅【前編】

ベルギーの酒類メーカーAB InBevはスマート醸造所の開発を進めている。同社がまず取り組んだのが、世界各国の従業員の通信を支えるネットワークと通話システムの構築だ。

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 「Corona」(コロナ)や「Budweiser」(バドワイザー)などのビールで知られ、ベルギーに本社を置く酒類メーカーAnheuser-Busch InBev(以下、AB InBev)は、フランスの通信事業者Orangeのビジネスサービス部門Orange Businessと契約。従業員の生産性を高めるために、音声通話システムやネットワークを刷新した。この取り組みを通じてAB InBevが目指すのは、デジタル技術の活用による事業変革だ。

スマート醸造所には技術よりも“あれ”が大事

 AB InBevは2022年時点で約50カ国に約16万7000人のスタッフを擁し、2022年度の売上高が約578億ドルとなっている多国籍企業だ。

 同社は、デジタル技術を活用して効率的にビールを醸造する「スマート醸造所」の実現を目指し、研究所や技術センターなどを設置している。同社がデジタルトランスフォーメーション(DX)で重視しているのは、デジタル技術を利用する従業員の従業員エクスペリエンス(EX、業務における従業員の体験や経験)だ。

 欧州にいる従業員のEXを高めるために同社は、旧来の音声通話システムをIP電話用プロトコル「SIP」(Session Initiation Protocol)ベースの音声通話システムに転換した。この新システムはOrange Businessが提供した。

 Orange Businessは、AB InBevが安心してデジタルツールに投資するためのネットワークを構築。本社と70カ所の拠点を、従来よりも低遅延かつ堅牢(けんろう)で広帯域のネットワークで結んだ。AB InBevは、Orange Businessとの新しい関係が、欧州拠点におけるDXの重要な第一歩を踏み出すのに役立つと考えている。


 後編は、AB InBevが掲げるDXのビジョンに、Orange Businessが提供した音声通話システムとネットワークがどのように貢献したのかを解説する。

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