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企業が「クラウド」に投資する理由と「MPLS」が廃れる現実が明らかにSASEとNaaSに投資する企業【前編】

ネットワーク機器ベンダーのAryaka Networksの調査によると、経営層のほとんどが投資を加速する分野があることが分かった。ハイブリッドワークが定着する中で、企業のIT分野に起きている変化とは。

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 ネットワーク機器ベンダーのAryaka Networksが年次報告書「Enterprise Network Transformation Report」の2023年版を公開した。この報告書は米国、英国、ドイツ、インドの企業で取締役やバイスプレジデント、CEOなどの経営幹部を務める230人を対象に、IT投資やネットワーク分野のトレンドを調査したものだ。経営層が取り組む優先事項や課題などをまとめている。

 報告書でAryakaが明らかにした動向は、銀行の破綻や金利上昇などによって経済の不確実性が表面化しているにもかかわらず、経営層がクラウドサービスへの投資を加速していることだ。どのような状況なのか。

クラウドサービス利用の背景には“あの変化”

 Aryakaの調査は、SaaS(Software as a Service)などのクラウドサービスへの急速な移行と、オフィスワークとテレワークを組み合わせるハイブリッドワークの定着が起きている現状を示した。調査対象者の98%は、クラウドサービスへの投資を増やすことを計画していると答えた。

 ハイブリッドワークを実施する場合、企業は従業員がどこからでもアプリケーションを利用できるようにする必要がある。それと同時に、企業のIT部門はアプリケーションのパフォーマンスとセキュリティの両方に費用をかける必要がある。

 ネットワークをサブスクリプション型で利用するNaaS(Network as a Service)の登場、スイッチング(トラフィックの中継と転送)技術であるMPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)の衰退といった変化が起きている。こうしたことが要因で、従来型の企業ネットワークの姿が形を変えつつあることも調査は明らかにした。


 後編は企業の経営陣が、SASE(Secure Access Service Edge)についてどのように考えているかの動向を紹介する。

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