女性が復職できる「STEM系の枠」を確保 スポーツ賭博会社が募集する“14職種”:多様なIT人材登用の促進【後編】
スポーツベッティング事業者とF1チームがIT分野における女性の復職支援に取り組む。支援を受けた参加者が登用されるのはどのような職種なのか。同様の支援に取り組む事例と併せて紹介する。
スポーツの試合を対象にしたギャンブル(スポーツベッティング)を提供する英国企業Entainが、フォーミュラ1(F1)チームMcLaren Racingと共に女性の復職支援に取り組む。両者はSTEM(科学、技術、工学、数学)分野における女性の復職支援プログラムを共同で創設した。
復職支援プログラムが対象とする参加者は、STEM分野に関する資格や経験、意欲を持っていて、2年以上の実務経験があり、3カ月以上仕事から離れている女性だ。復職支援は具体的にどのような内容なのか。
多様なエンジニア職種で復職支援
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参加者は、復職に向けて1対1での面談を受ける機会や、勤務予定の企業で管理職と交流する機会を得ることができる。参加者を受け入れる職種は以下だ。
- テストエンジニア
- データサイエンティスト
- 定量分析を専門に実施するクオンツアナリスト
- インフラエンジニア
- システムエンジニア
- ソフトウェアエンジニア
- ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイナー
- ビジネスインテリジェンス(BI)アーキテクト
- バックエンドエンジニア
- アプリケーションの開発・実行環境「.NET」エンジニア
- 株式市場を分析するテクニカルアナリスト
- 生産技術エンジニア
- 設計技師
参加者は、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークといった柔軟な働き方が可能だ。柔軟な働き方の提示は、STEM分野で働く女性の数を世界的に増やすために両社が実施している取り組みの一つでもある。
Entainは他にも、女性に対する技術訓練や教育の機会を増やし、STEM分野におけるジェンダーギャップを改善する「EnTrain」という構想を打ち出している。インドのハイデラバードとフィリピンのマニラにある同社のオフィスでは、IT業界への復職を目指す女性を支援する取り組み「Reboot@Ivy」を実施している。
F1の世界もIT人材の多様性を推進するプログラムを取り入れている。F1ドライバーのルイス・ハミルトン氏は、英国のSTEM分野における黒人教師の増加を支援する慈善団体Mission 44を立ち上げた。同氏は、英国のモータースポーツ界における人材の多様性の欠如を調査したり雇用の改善を目指したりするThe Hamilton Commissionを2019年に設立した。
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