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食品会社が「ローコード/ノーコード」や「NLP」で創出した“納得の成果”食品会社のイノベーション【前編】

約150カ国で菓子や飲料の事業を展開するMondelēz。「適切な商品を、適切な瞬間に、適切な方法で提供すること」をミッションとする同社は新しい技術の導入に積極的だ。その取り組みを整理する。

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 チョコレート菓子や飲料の事業を世界各国で展開するMondelēz International(Mondelēz)。同社は自社のイノベーションを促進するため、ソースコードの記述を最小限またはなしで開発する「ローコード/ノーコード開発」や、「自然言語処理」(NLP)を全社で活用する取り組みを推進している。どのような課題の解決につながったのか。

“納得の成果”を得た試験導入から全社規模へ

 Mondelēzが抱えていた課題の一つが、手動での在庫管理だ。同社の製造拠点と製造委託拠点の間での商品の移動は基本的には手作業で実施するため、在庫の記録と照合の作業に手間が掛かりがちだった。課題の解決に向けて同社はローコード/ノーコード開発ツールを活用。200個以上のアプリケーションを新たに作成し、全ての情報を電子化し、承認プロセスを自動化した。その結果、工数の削減やコンプライアンスの強化、作業時間の短縮、会計業務の効率化につながった。

 製造拠点では分析証明書の電子化を実施。年間10万件発行する書類の処理時間を70%短縮できるようになった。人事部では、従業員から寄せられる人事関連の質問にNLPを利用した「チャットbot」が答えている。従業員はチャットbotを通じて、相談窓口の支援を受けることができる。同社はチャットbotの導入が、従業員エンゲージメントと従業員エクスペリエンス(EX、業務における従業員の体験や経験)の向上につながったと評価している。

 技術の導入は当初は試験的な取り組みだったが、生産性の向上や従業員エクスペリエンスの強化、歩留まりの改善といった成果をもたらしたことから、全社規模で一連の技術の活用を進めることになった。


 後編は、Mondelēzが手掛けたその他の技術導入と成果を整理する。

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