売れなくなったPCが「生成AI」で再び売れるようになる条件はこれだ:PCはどれくらい「売れていない」のか【第4回】
世界的に需要が低迷し、出荷台数が落ち込むPCに“救世主”が現れた。「ChatGPT」をはじめとした「生成AI」がそれだ。ただし生成AIがPC市場を復活させるには、生成AIが“ある条件”を満たす必要がある。
世界中でPC需要の低迷に歯止めが掛からない。そうした中、PC市場の新たな刺激剤として、テキストや画像などを自動生成する人工知能(AI)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)が貢献し得るとの見方がある。PCと生成AIに、何の関係があるというのか。
「ChatGPT」など生成AIでPC販売が活性化? その“条件”とは
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連載:PCはどれくらい「売れていない」のか
- 第1回:PCが「全然売れなくなった」のはなぜ? 次に売れる日は
- 第2回:「本当に売れなくなったPC」はWindows機じゃない“あのマシン”
- 第3回:部品不足よりも深刻な「PC部品メーカー」の“新たな苦しみ”とは?
PCを巡る動きとは
調査会社Canalysによれば、2023年第1四半期(1月〜3月)の世界PC出荷台数は、前年同期比33%減の5400万台だった。内訳では、
- ノートPCは同34%減の4180万台
- デスクトップPCは同28%減の1210万台
となった。
PC販売の低迷が続く中、PC市場に新たな刺激を与え得るのは、AIベンダーOpenAIのAIチャットbot「ChatGPT」をはじめとした生成AIの登場だ。PC業界のアナリストは2024年から2025年をめどに、生成AIの利用に適したPCのニーズが高まる可能性があるとみる。
原稿執筆時点では、ChatGPTといった主要な生成AIツールがAIモデルを置くのはサーバであって、エンドユーザーのデバイスではない。今後、デバイスにAIモデルを置くことが主流になれば、ハイスペックPCの需要拡大につながると考えられる。AIモデルによるコンテンツ生成やトレーニングに必要な、膨大なデータの高速処理を実現するためだ。
「“ローカル化”が進めば、生成AIはPCの買い替えのカンフル剤になる可能性がある」。調査会社Technology Business Researchのアナリスト、エズラ・ゴットハイル氏は、こう述べる。
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