「PCの買い替え」がこのまま順調に進むとは考えにくい理由:ハイブリッドワークと業務用PC【前編】
2022年、PC業界は過去最大級の売上高減少に見舞われたが、企業による新しいPCへの買い替えが進むと各PCベンダーは見込む。その見通しは正しいのだろうか。
2022年、PCの新規販売台数は記録的に落ち込んだが、PCベンダーはあくまで楽観的な見方をしている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中にPCを購入した企業や消費者が、機器の買い替えを検討すると期待しているからだ。この見込みは果たして正しいのか。
企業は「新しいPC」が必要なのか、不要なのか
2020年、英国はCOVID-19の影響を受けてロックダウン(都市封鎖)を実施した。オフィスワーカーは自宅での勤務を強いられ、企業は従業員に在宅勤務用のノートPCを支給した。
コロナの終息後も大半の企業はハイブリッドワーク(オフィスワークとテレワークの組み合わせ)制度を採用し、Microsoftの「Microsoft Teams」やZoom Video Communicationsの「Zoom」といったWeb会議ツールを用いたミーティングが主流となった。PCベンダーはこの状況を受けて、機能を改良したカメラやオーディオをPCに搭載。Web会議ツールの使い勝手をハードウェア面から改善した。
一方で資金繰りに苦しむIT部門にとって、Web会議向けの多彩な機能を搭載したPCを購入する余裕は、ほとんどの場合はない。Web会議ツールベンダーが開発しているAI(人工知能)技術搭載のツールを活用した方が、手軽に生産性を高めやすいと言える。
後編はアフターコロナ時代において、賢くPCを選ぶための視点を解説する。
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