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無料だけどタダじゃ使えない「Windows 11」“本当のコスト”はこれだ「Windows 10」から「Windows 11」への移行コスト【第4回】

Microsoftは「Windows 10」から「Windows 11」へのアップグレードを無償で可能にしている。ただしアップグレードではさまざまな作業が発生し、それぞれにコストが掛かる。どのようなコストが発生し得るのか。

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 新バージョンへのアップグレードは、MicrosoftのクライアントOS「Windows」を利用する限り、逃れられない。「Windows 10」から「Windows 11」へのアップグレードに際して、通常のワークフローやビジネス活動に支障を来さないようにするために、IT担当者がこなすべき作業は多岐にわたる。それぞれの作業には、相応のコストが掛かる。

 Windows 10からWindows 11へのアップグレードプログラムは、Microsoftが無償で提供している。ただしアップグレードに必要な作業に掛かるコストまで、同社が負担するわけではない。Windows 11のアップグレードに伴うコストには、どのようなものがあるのか。

実はタダじゃない「Windows 11」の“本当のコスト”はこれだ

 Windowsのアップグレード、特に「Windows 8」へのアップグレードを経験したIT担当者であれば、アップグレードの計画と実行には、さまざまなコストが発生することを理解しているはずだ。アップグレードのコストには、検証環境での新バージョンの試験的な導入に加えて、既存のアプリケーションやサービスが正常に動作するかどうか、ユーザビリティがどのように変化するかの確認に掛かるコストを含む。その他にも考慮すべきコストはある。

最小システム要件を満たさないPCの更新コスト

 IT資産管理ソフトウェアベンダーLansweeperが2023年に公開した調査結果(調査対象:ユーザー企業6万社で稼働する推定3000万台のWindows搭載PC)では、PCの42%以上が、Windows 11のシステム要件を満たしていなかった。主な原因として同社が挙げるのは、

  • 標準規格「TPM 2.0」(TPM=Trusted Platform Module)準拠のセキュリティデバイスを搭載していないこと
  • CPUが必要な性能を満たしていないこと

の2つだ。PCがWindows 11のシステム要件を満たしていない場合、PCの更新が必要になる。

 PC更新に掛かるコストは、使用するエンドユーザーのニーズによって異なる。1ユーザー当たり1000ドルを下回ることはめったにない。

トレーニングのコスト

 Windows 11のアップグレードに伴う新バージョンへの移行を容易にするためには、トレーニングを計画・実施するのが最善だ。アップグレードの計画と実行を監督する管理者が、通常は最初のトレーニング対象となる。エンドユーザーが各自でアップグレード作業を進める際にサポートできるよう、次にサポート担当者をトレーニングする。業務でWindows 11を活用するエンドユーザーのトレーニングは最後だ。

 エンドユーザーへのトレーニングでは、対象者の数は、一般的には管理者やサポート担当者よりも多くなる。ただし業務遂行のためのトレーニングに絞り込めるので、1人当たりのトレーニングの量や時間は少なくて済む。とはいえ全体として時間とコストはかなり掛かる。

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