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サイバー攻撃に強い企業でありたいが――英国経営層の“本音”とはセキュリティ課題と企業経営【中編】

DXの推進と同時進行で進めたいのがセキュリティ対策だ。PwCの調査では、企業の経営層が、セキュリティ対策の重要性と予算についてどのような考えを持っているのかが明らかになった。その内容とは。

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 「クラウドサービスの導入、Eコマース(EC)の活用、OT(制御技術)の利用といった『デジタルトランスフォーメーション』(DX)の取り組みは、企業の持続的な成長を生み出すためには不可欠だ」。コンサルティング会社PricewaterhouseCoopers(PwC)で、サイバーセキュリティの責任者を務めるリチャード・ホーン氏はこう語る。

 PwCは、年次調査「2023 Global Digital Trust Insights Survey」を実施。2022年7〜8月、英国の249人を含む、全世界約3500人の企業の経営層を調査した。調査を基にしたレポート「Cyber Security Outlook 2023」から、DXを進める企業の経営層がセキュリティ対策についてどのように考えているのかを整理する。

分かっちゃいるけど…… セキュリティ予算に踏み切れない経営層の実情

 PwCのレポートによると、英国の回答者の3分の2が、サイバー攻撃を受けた場合に生じるコストや風評被害を踏まえても、「DXの推進に伴うサイバー脅威のリスクを軽減できていない」と回答。調査に参加した最高財務責任者(CFO)の27%は、「2022年からの過去3年間に100万ドル以上のコストが発生したサイバーインシデントを経験した」と答えた。

 セキュリティ予算についてはどうか。調査会社Forrester Researchは2022年12月に調査レポート「European Tech Market Forecast, 2022 To 2027」を発表。同社はレポートにおいて、「予算不足により、欧州企業のIT支出の成長率は、2022年から2023年にかけて5.8%から3.6%へと減少する」と予測した。一方2023 Global Digital Trust Insights Surveyでは、英国の回答者の59%は「自社のセキュリティ予算は増加する見込みだ」と回答した。


 後編は、サイバー脅威に強い企業を目指すために、企業はどのような力を培えばよいのかを探る。

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