セキュリティの予算もなければ計画もないオランダ教育機関の“惨状”:セキュリティ軽視から重視へ オランダ教育機関の変化【第2回】
オランダの教育機関と企業の間には、セキュリティへの投資に大きな差があることが調査で明らかになった。調査結果から見えた、教育機関の“惨状”とは。
調査会社Kantar Groupは2021年1〜2月に、オランダの中等教育機関および中等職業教育機関の経営幹部やIT部門の担当者を対象に調査を実施した(有効回答数129人)。その調査レポートによると、10校の教育機関のうち4校がITセキュリティ分野の問題を抱えていた。
「被害を過小評価している」 セキュリティ投資が進まない教育機関
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教育機関とセキュリティ
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調査レポートによると、オランダ教育機関の予算のうち、IT予算が占める割合は平均11%だ。IT予算のうちセキュリティ対策に投資する金額は5%にも満たない。一方でオランダの企業は一般的に、IT予算の25%をセキュリティ対策に投資している。
教育機関と企業のセキュリティ投資の現状を比べると、衝撃的な違いがあることが分かる。Kantar Groupの調査レポートは、教育機関の経営幹部がセキュリティに注意を払わない主な理由を「サイバー攻撃によって組織が受ける影響の過小評価だ」と結論付ける。
Kantar Groupの調査では、回答者の12%が「サイバー攻撃による影響はない」と考えていた。回答者の約半数はセキュリティに以前よりも多くの注意を払いたいと答えているものの、セキュリティ強化について「何の計画も立ててない」と答えた回答者は13%に上った。
第3回はオランダの教育機関の被害を例に、教育機関がどのようなサイバー攻撃を受けているのかを整理する。
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