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SSDでもHDDでもなく「テープこそ未来だ」と断言したくなる訳ストレージの進化が未来を変える【後編】

SSDやHDDと比較すると「テープストレージ」は脇役のストレージだった。今後はそうとは言えなくなる可能性がある。魅力の一つである容量の進化を含めて、なぜテープストレージが有望なのかを考察する。

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LTO | SSD | ハードディスク | ストレージ


 ストレージを選定する際に「SSD」と「HDD」の二者択一で考えるのは無難だ。だが「テープストレージ」を忘れてはいけない。ストレージ市場においてテープストレージが存在感を高めているのは、“ペタバイト級”の容量実現が見込まれることだけが理由ではない。その進化の節目となるタイミングを含めて、なぜテープストレージが有望なのかを考える。

SSDでもHDDでもなく「テープ」こそが“未来”の訳

 磁気テープの規格「LTO」(リニアテープオープン)の現行世代である「LTO-9」の容量は、圧縮時45TB、非圧縮時18TBとなっている。LTOを策定する業界団体「LTO Program Technology Provider Companies」(TPCs)が公表するロードマップによれば、LTOは世代が新しくなるたびに、基本的には容量が倍増する。以下のような具合だ。

  • LTO-10
    • 圧縮時90TB、非圧縮時36TB
  • LTO-11
    • 圧縮時180TB、非圧縮時72TB
  • LTO-12
    • 圧縮時360TB、非圧縮時144TB

 重要な節目になる可能性があるのが「LTO-14」だ。その容量は、圧縮時1.44PB、非圧縮時576TBで、初の1PB超えになると見込まれている。LTO-14は早ければ2030年代前半に登場する可能性がある。

 こうした容量の増加ペースを踏まえると、「テープストレージの未来は明るい」と言っていい。そう言える背景には、データをファイル単位で扱えるようにするファイルシステム「LTFS」(Linear Tape File System)がある。これによってテープストレージのデータを取り出しやすくすることが可能だ。

 テープストレージの用途が、データの長期保存やアーカイブ用であることに変わりはない。ただし今後は、その用途が広がる可能性がある。例えば自然災害やサイバー攻撃による被害が発生した場合の、データ復旧のためのストレージだ。企業がデータを生み続ける中で、テープストレージは「今後のストレージ戦略に欠かせない存在」になる可能性を秘めている。

 SSDやHDDをはじめ、企業が選択できるストレージには幾つかの種類がある。企業は容量単価やデータの読み書き速度などを踏まえて、用途に適したストレージを選択すべきだ。データの読み書き速度を求めるのであれば、テープストレージよりもSSDやHDDが適している。それ以外の用途では、HDDに代わってテープストレージが存在感を増す可能性が十分にある。

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