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「シンクライアント」をもう“シン”だなんて言えないのはなぜ?“シン”を超えて進化する「シンクライアント」【第2回】

シンクライアントデバイスは必要最小限の機能しか備えていない――。この説明は、以前は正しかった。シンクライアントデバイスの進化により、その“真偽”が変わる可能性があるという。それはどういうことなのか。

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 クライアントデバイスの機能を絞り込み、主要な処理をサーバに集約したシステムを「シンクライアント」と呼ぶ。シンクライアントを構成するクライアントデバイスである「シンクライアントデバイス」は、必要最小限の機能しか持たず、仮想デスクトップや仮想アプリケーションを利用するために使われることが一般的だった。その状況が変化しつつある。

言葉の意味さえ変える? 「シンクライアント」はどう進化したのか

 シンクライアントデバイスを製造・販売するベンダーはさまざまだ。主要ベンダーとしてDell TechnologiesやHP、10ZiG Technologyなどが挙げられる。ClearCube TechnologyやNComputingといった老舗ベンダーに加えて、ZeeTimといった新興ベンダーもシンクライアントデバイスを提供している。

 過去にシンクライアントデバイスを製造していたIGEL Technologyは、ハードウェア事業を縮小。x86プロセッサ搭載の一般的なクライアントデバイスをシンクライアントデバイスに転換するためのシンクライアントOS「IGEL COSMOS」などのソフトウェア事業に注力している。Stratodeskも、同様の機能を持つシンクライアントOS「Stratodesk NoTouch」を開発する。

 ハードウェアかソフトウェアかに関係なく、シンクライアント関連ベンダーが提供する製品は「シン」(Thin:薄い、細い)という表現から遠ざかりつつある。一部のシンクライアントデバイスは機能の充実が進み、もはや「最小限の機能のみを備えている」とは言えなくなっている。

 例えばIGEL COSMOSやStratodesk NoTouchといったシンクライアントOSは、Microsoftの「Windows」やAppleの「macOS」といった一般的なクライアントOSよりもファイルサイズは小さいものの、さまざまな機能を備えている。IT管理者向けの管理機能やセキュリティ機能、周辺機器を仮想デスクトップで直接利用可能にする機能、ローカルアプリケーションを実行する機能などだ。


 第3回は、シンクライアントOSを巡る主要ベンダーの動きを整理する。

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