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保険会社に聞く「マルチクラウド」実現の手段と“解決していない課題”とは?:脱クラウドだけじゃない「クラウドコスト問題」の対処法【第5回】
保険会社のEmployers Holdingsはマルチクラウドを実現するために、どのようなIT製品を活用しているのか。マルチクラウドを実現する上での課題とは。同社CIOに聞く。
米国の保険会社Employers Holdingsは、業務システムのインフラとして、複数ベンダーのクラウドサービスを組み合わせた「マルチクラウド」を採用した。マルチクラウドは、単に複数のクラウドサービスを契約するだけで実現するわけではない。同社はどのようにマルチクラウドを実現したのか。
マルチクラウドに生かしたIT製品と「解決していない課題」
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連載:脱クラウドだけじゃない「クラウドコスト問題」の対処法
- 第1回:クラウドの“化けの皮”がはがれた? 露呈した「高過ぎる実態」
- 第2回:脱クラウドに踏み切った駐車場会社 「サーバを買った方が安上がり」
- 第3回:脱クラウドに踏み切ったのにクラウドを使い続ける駐車場会社の言い分
- 第4回:「クラウド高過ぎ」の文句は甘え 保険会社IT幹部が教える“クラウド値切り”術
マルチクラウドを実現するために、Employers Holdingsは幾つかのツールを利用している。主なツールは以下の通りだ。
- Dynatraceの同名クラウドインフラ管理ツール
- オープンソースの構成管理ツール「Ansible」
- オープンソースのコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」
- Red HatのKubernetesディストリビューション(配布用パッケージ)「Red Hat OpenShift」
- VMwareのクラウドインフラ構築製品群「VMware Cloud」
- オープンソースのCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツール「Jenkins」
Employers Holdingsは、まだ複数のクラウドサービス間でシステムを定期的に移動させるといった段階には至っていないという。現状は「全てのクラウドサービスを一元管理する方法を模索している段階だ」と、同社のCIO(最高情報責任者)であるジェフリー・ショー氏は明かす。
ショー氏はマルチクラウドの課題として、あらゆるクラウドサービスを包括的に管理できるツールの不足を挙げる。「IBMやOracleといった“ニッチ”ベンダーのクラウドサービスを含めて、全てのクラウドサービスを正しく管理できるマルチクラウド管理ツールは見つかっていない」(同氏)
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