クラウドの“化けの皮”がはがれた? 露呈した「高過ぎる実態」:脱クラウドだけじゃない「クラウドコスト問題」の対処法【第1回】
クラウドサービスの利用方法を見直す動きがある。クラウドサービスの利用をやめる「脱クラウド」も珍しくなくなった。クラウドサービスに何が起きているのか。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は、企業のテレワークへの移行を後押しした。これに伴って急速に進んだのが、インターネットに接続すればどこからでも利用できるクラウドサービスの採用だ。ところがここに来て、クラウドサービスの快進撃に陰りが見え始めているという。どういうことなのか。
想像以上に「高過ぎたクラウド」
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世界的なインフレーション(継続的な物価上昇)やエネルギー価格の上昇、景気の後退――。こうしたパンデミック後の変化に耐える策として、企業はIT予算の削減に着手している。
IT予算を削減するときの懸念事項の一つが、クラウドサービスの利用料金だ。運用管理ツールの間で「FinOps」支援機能の搭載が進む中、ユーザー企業の間でクラウドサービスの契約の見直しが進みつつあるという。FinOpsは、IT部門と財務部門、事業部門が連携しながら、クラウドサービスのコスト管理に取り組む手法だ。
一部のユーザー企業は、コスト削減のためにクラウドサービスからオンプレミスインフラにシステムを戻す「脱クラウド」を選択している。複数ベンダーのクラウドサービスを組み合わせる「マルチクラウド」を採用するユーザー企業は、特定のクラウドサービスを利用しつつも、より安価に利用可能な他のクラウドサービスに乗り換える機会をうかがっている。
さまざまなクラウドサービスを併用するようになれば、インフラはより広範囲に分散することになる。IT部門は複数のインフラを管理するための方法が必要になり、大手ITベンダーはこうしたニーズに応えようとしている。
第2回は、脱クラウドに取り組む空港駐車場サービス会社Park 'N Flyの事例を紹介する。
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