「クラウドファースト」戦略の手法とリスク【中編】
「クラウドにロックインはない」は誤解だった? クラウドファーストの落とし穴
「クラウドファースト」を採用する場合、クラウドサービスのメリットだけではなくリスクにも留意する必要がある。クラウドサービスが抱える主なリスクと、その解決策を説明する。
「クラウドファースト」は、システムのインフラとしてクラウドサービスを優先的に採用するIT戦略だ。クラウドサービスの利用を前提としてシステムを構築することで、ユーザー企業はクラウドサービスのメリットを享受しやすくなる。
常にクラウドファーストが適切なわけではない。既存システムにしても、新規システムにしても、インフラとしてクラウドサービスを利用する場合には、さまざまなリスクがあるからだ。どのようなリスクなのか。クラウドファーストを採用する前に把握すべき、クラウドサービスの主要なリスク3つを整理する。
1.クラウドにも実はあった「ベンダーロックイン」
併せて読みたいお薦め記事
連載:「クラウドファースト」戦略の手法とリスク
クラウドファーストを推進する企業の事例
クラウドベンダーは、サーバやストレージといった汎用(はんよう)的な用途のクラウドサービスだけを提供しているわけではない。例えばクラウドベンダーは、自社が提供するクラウドサービスを生かしたシステムを開発しやすくするために、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供している。
開発者はクラウドベンダーが提供するAPIを使用することで、システムを迅速に開発できるようになる。一方でこうしたAPIを使用して開発したシステムは、他のクラウドサービスやインフラに移植する場合に、大幅なソースコードの書き換えが必要になることがある。つまり特定ベンダーの技術に依存し、他の選択肢を採用しにくくなる「ベンダーロックイン」が発生するのだ。
システムの移植をしやすくするには、Red HatやVMwareが提供するコンテナ管理製品やサーバ仮想化製品を利用して、インフラを抽象化するとよい。これらの製品は、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoftなど、さまざまなベンダーのIaaS(Infrastructure as a Service)で実行できる。
後編は、残る2つのリスクである「コスト」「セキュリティ」のリスクと、これらのリスクの影響を小さくする方法を説明する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] ランサムウェア対策の重要ポイント バックアップがあっても安心できない理由 -
製品資料
[Dropbox Japan株式会社] 失敗しないDropbox導入 移行の進め方と事前設計の注意点 -
製品レビュー
[Dropbox Japan株式会社] 取引先から聞かれる前に知っておきたい、SCS評価制度とファイル共有管理の基本 -
製品資料
[TXOne Networks Japan合同会社] 沖電気工業に学ぶ、OT環境の「リスク可視化」から始めるセキュリティ対策 -
事例
[Neatframe株式会社] 船井総研HDのビデオ会議はここが違う 美観・品質・操作性を追求した環境構築術
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
3
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
4
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
5
AIエージェントで「ERPの魔改造」復活の懸念 せっかくのクリーンコアが崩壊
-
6
「アップグレードできないJava」をどう守る IBMとRed HatがAIで400件超修正
-
7
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
8
Googleの業務向けAIエージェント「Gemini Agent」が登場 しかし課題は山積み
-
9
OpenAIやAnthropicでさえ制御不能 2026年夏「3大サイバー攻撃」の衝撃
-
10
増えすぎたAIエージェントが野良化 幹部の36%がインシデント発生時に隠したいと回答
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
-
8
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
9
Wi-Fi 7はまだ導入しなくてよい? AI時代の企業ネットワーク戦略、次の一手は
-
10
脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー