ドイツ取引所がGoogleと結束 クラウド活用の“次の選択”とは「Google Cloud」を優先するドイツ取引所【前編】

2023年2月、証券取引所を運営するドイツ取引所はGoogleとの提携強化を発表した。この提携の具体的な内容とは。同社が目指す方向性と併せて紹介する。

2023年05月10日 07時15分 公開
[Caroline DonnellyTechTarget]

 フランクフルトを拠点に証券取引所を運営するドイツ取引所(Deutsche Börse)は、企業や投資家がグローバルな資本市場にアクセスできるよう、株式や証券の取引市場を提供する役割を担う。2023年2月、同社はGoogleとの10年間に及ぶ戦略的パートナーシップ締結を発表した。提携の狙いは何なのか。

Googleとの提携で見据える今後10年

 ドイツ取引所は、クラウドサービスを優先的に利用する考え方「クラウドファースト」を実践することを公表している。狙いは新技術への投資によってシステムを刷新することや、事業をさらに成長させることにある。

 2019年9月、ドイツ取引所はGoogleとの提携を発表していた。その主な目的は、オンプレミスのインフラで稼働するVMware製品をベースにしたシステムを、Googleのクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)に移行することだった。

 今回の提携拡大から10年間、Googleがドイツ取引所の優先的なクラウドパートナーになる。これによりドイツ取引所は、デジタル証券やデジタル資産取引、データ分析といった分野での開発を加速させる。


 後編は、ドイツ取引所がGoogle Cloudと組んだ狙いを解説する。

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