VMwareがBroadcomに買収されてから、EUC事業に関して先行きが不透明な状況が続いていた。新会社設立が発表されたことにより、ようやく分かったことがある。
半導体ベンダーのBroadcomが、仮想化ベンダーのVMwareを買収すると発表したのは2022年5月のことだった。それからというもの、VMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門や、その製品とパートナーの先行きについては、幾つもの不明点や疑問があった。EUC 事業には、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」(以下、Horizon)や、統合エンドポイント管理ツールの「VMware Workspace ONE」(以下、Workspace ONE)が含まれる。
BroadcomがEUC部門に関連する説明を始めたのは、2023年11月にVMwareの買収を完了してからだった。まず、BroadcomがEUC部門を売却する意向であることが分かった。2024年2月に、同社はEUC部門を投資会社KKRに売却すると発表した。2024年4月、EUC部門がKKR傘下の事業会社Omnissaとして再出発することが発表になり、2024年5月にはOmnissaの公式Webサイト「Omnissa.com」が公開された。
ようやく各部門や製品の行方についての疑問が解消されつつある。Omnissaはどのような会社なのか。現状がどうなっているのかを確認しよう。
OmnissaのWebサイトは2024年8月現在、「Products」(製品)セクションを以下の5つの製品カテゴリーで構成している。
Omnissaのサイトは「App Volumes」と「Apps on Demand」も扱っているが、Horizon 8のページに統合されている。App Volumesは、仮想デスクトップ環境のアプリケーション管理ツール、Apps on Demandは、App Volumesを利用したオンデマンドのアプリケーション配信サービスだ。
App VolumesとApps on Demandは、単独で主要製品として扱われるべきという意見もある。だが、OmnissaのWebサイトは明らかにまだ構築途上にある。今後、これらの製品の扱い方は変わる可能性がある
Omnissaサイトの「Solutions」(ソリューション)セクションの構成は、
となっており、これらの分野がOmnissaのミッションの中核を成すことを示している。
Omnissaの社名の発表は、EUC部門の従来の顧客やパートナー企業の安心につながるはずだ。他のベンダーがEUC部門のVDIやエンドポイント管理の事業に食い込もうとしている。社名は名前に過ぎないが、EUC部門の足場の確保が難しそうな過渡期には、継続性の象徴になる。
次回は、OmnissaにおけるVDI製品のライセンス提供について整理する。
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