VMware買収のBroadcomから独立、新会社「Omnissa」の正体VMwareから独立する事業の行方【前編】

VMwareがBroadcomに買収されてから、EUC事業に関して先行きが不透明な状況が続いていた。新会社設立が発表されたことにより、ようやく分かったことがある。

2024年08月26日 07時00分 公開
[Gabe KnuthTechTarget]

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 半導体ベンダーのBroadcomが、仮想化ベンダーのVMwareを買収すると発表したのは2022年5月のことだった。それからというもの、VMwareのエンドユーザーコンピューティング(EUC)部門や、その製品とパートナーの先行きについては、幾つもの不明点や疑問があった。EUC 事業には、VDI(仮想デスクトップインフラ)製品の「VMware Horizon」(以下、Horizon)や、統合エンドポイント管理ツールの「VMware Workspace ONE」(以下、Workspace ONE)が含まれる。

 BroadcomがEUC部門に関連する説明を始めたのは、2023年11月にVMwareの買収を完了してからだった。まず、BroadcomがEUC部門を売却する意向であることが分かった。2024年2月に、同社はEUC部門を投資会社KKRに売却すると発表した。2024年4月、EUC部門がKKR傘下の事業会社Omnissaとして再出発することが発表になり、2024年5月にはOmnissaの公式Webサイト「Omnissa.com」が公開された。

 ようやく各部門や製品の行方についての疑問が解消されつつある。Omnissaはどのような会社なのか。現状がどうなっているのかを確認しよう。

Broadcomから独立した新会社「Omnissa」の正体

 OmnissaのWebサイトは2024年8月現在、「Products」(製品)セクションを以下の5つの製品カテゴリーで構成している。

  • Workspace One Unified Endpoint Management
    • 統合エンドポイント管理ツール
  • Workspace One Intelligence
    • さまざまなデータを集約し、可視化するとともに、それらのデータによって各種プロセスを自動化するツール
  • Workspace One Mobile Threat Defense
    • モバイルエンドポイントセキュリティツール
  • Horizon 8
    • VDI製品
  • Horizon Cloud Service
    • Horizonの仮想デスクトップ環境を構成できるクラウドサービス

 Omnissaのサイトは「App Volumes」と「Apps on Demand」も扱っているが、Horizon 8のページに統合されている。App Volumesは、仮想デスクトップ環境のアプリケーション管理ツール、Apps on Demandは、App Volumesを利用したオンデマンドのアプリケーション配信サービスだ。

 App VolumesとApps on Demandは、単独で主要製品として扱われるべきという意見もある。だが、OmnissaのWebサイトは明らかにまだ構築途上にある。今後、これらの製品の扱い方は変わる可能性がある

 Omnissaサイトの「Solutions」(ソリューション)セクションの構成は、

  • Digital Employee Experience(デジタル従業員エクスペリエンス)
  • Security and Compliance(セキュリティとコンプライアンス)
  • Unified Endpoint Management(統合エンドポイント管理)
  • Virtual Desktops and Apps(仮想デスクトップおよびアプリ)

となっており、これらの分野がOmnissaのミッションの中核を成すことを示している。

 Omnissaの社名の発表は、EUC部門の従来の顧客やパートナー企業の安心につながるはずだ。他のベンダーがEUC部門のVDIやエンドポイント管理の事業に食い込もうとしている。社名は名前に過ぎないが、EUC部門の足場の確保が難しそうな過渡期には、継続性の象徴になる。


 次回は、OmnissaにおけるVDI製品のライセンス提供について整理する。

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