いまさら聞けない「クラウドのうるさい隣人」問題はなぜ起こる?ノイジーネイバーへの対策【前編】

クラウドインフラは仮想化技術を利用して、単一の物理サーバを複数のユーザーが使えるようにしている。しかし、このIT環境では「うるさい隣人」(ノイジーネイバー)問題が起こる可能性がある。どのような問題なのか。

2025年03月24日 07時15分 公開
[Kathleen CaseyTechTarget]

 ITシステムの運用環境ではしばしば「うるさい隣人」(ノイジーネイバー)が問題になる。これは同一のITインフラを共有しているワークロード(特定のシステムやアプリケーションに関するタスクや処理)が過剰にリソースを消費することで、他のワークロードの処理に悪影響を及ぼす現象だ。

 クラウドインフラでもノイジーネイバー問題は起こる。その問題が発生する場合、どのような事象が発生しており、何が原因になっているのか。

うるさい隣人問題はなぜ起こる?

 クラウドインフラは複数のテナント(アカウント専用の運用環境)が同一の物理サーバやITインフラを共有するマルチテナント環境だ。複数のアプリケーションやデータを同一のITインフラで運用している。

  • ネットワーク帯域幅
  • ディスク入出力(I/O)
  • CPU

 これらのリソースを特定のワークロードが独占すると、他のテナントが利用している仮想マシン(VM)やアプリケーションに悪影響を与える可能性がある。特にネットワーク帯域幅の独占は、他のテナントのネットワーク性能に直接的な影響を与える。

 ノイジーネイバーによって以下のリソースのパフォーマンスが悪化する可能性がある。

  • Webホスティング
  • データベース
  • ネットワーク
  • ストレージ
  • サーバ

 次回はノイジーネイバー問題の対策を解説する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...