DR(災害復旧)関連の用語を誤解していると、危機的状況下での対処が遅れる可能性がある。企業の復元力を高め、事業を継続させるために知っておくべき8つのDR用語とは。
DR(災害復旧)は、企業が事業を継続するための生命線だ。障害が発生した場合でも速やかに対処し、事業を継続させるためには、DRに関する用語を理解しておく必要がある。本稿はDRに関する27個の用語のうち、8〜15個目の用語を解説する。
障害が解消した後、業務場所を元の拠点に、もしくはシステムを元の運用基盤に戻すことを指す。プライマリーストレージ(本番環境で使用するストレージシステム)に障害が発生した場合、システムを運用するためのシステムはセカンダリーストレージ(バックアップ用のストレージシステム)に切り替わる。プライマリーストレージが修復できたら、システムをフェイルバックして、セカンダリーストレージは待機状態に戻る。
業務を代替拠点に、もしくはシステムを待機系に切り替えることを指す。日常的に使用するデータベースを待機状態のセカンダリーストレージに複製しておけば、プライマリーストレージがクラッシュした場合、セカンダリーストレージにフェイルオーバーすることで、データベースが稼働し続けられる。
システムに障害が発生しても機能し続ける能力を指す。複数のHDDを組み合わせるRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)構成、データレプリケーション(複製)、冗長化などによって耐性を向上させることが可能で、機能が低下しても業務を継続できるようにする。
障害発生時に使う予備の機器や部品を指す。代表例としては、RAIDを構成するサーバ内のホットスペア用HDDがある。利用できなくなったHDDをRAIDシステムが検出すると、即時にホットスペア用HDDと置き換える。ホットスペアの恩恵を受けるストレージシステムを特定することから始めるとよい。
テスト済みで、正常に動作することが確認できている交換用部品を指す。トラブルシューティング中に、問題のある部品を特定するために交換して使う。ネットワーク接続の問題の原因を特定する際に、予備用ネットワークインタフェースカード(NIC)を用意しておくといった具合だ。
特定の機器が故障するまでの平均稼働時間を指す。指定期間内の総稼働時間を障害回数で割って算出する。MTBFが大きいほど、その機器の信頼性と可用性が高いことになる。
特定の機器の使用開始から故障するまでの平均稼働時間を指す。信頼性と予想耐用期間の指標となり、修理せずに交換することが前提の機器を選定する際に役立つ。品質が高く、高価な機器を購入したい場合の説得の材料として活用できる。
障害や災害後に業務を復旧するまでにかかる平均時間を指す。目標復旧時間(RTO)の基準になる。
次回は、16〜27個目の用語を解説する。
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