OSが安定して動作する裏側では、カーネルが膨大なプロセスやリソースを制御している。Windowsの安定稼働に欠かせないカーネルの仕組みを、基本から解説する。
私たちが日常的に使っているMicrosoftのクライアントOS「Windows」の裏側では、膨大な数の処理や制御が絶え間なく行われている。その中核的な存在がカーネルだ。カーネルは、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しをする役割を担う。特にWindowsのような複雑なOSでは、カーネルが果たす役割は極めて多岐にわたる。
カーネルはOSの中核として、次の3つの重要な役割を担う。
これらの役割を実現するために、Windowsカーネルは多岐にわたるコンピューティング処理を担当している。
カーネルの主な役割は「スケジューリングと管理」だ。つまり、プロセス、リソース、デバイスなど、PC内部で動作するあらゆる要素を統括して調整する。OSのコンポーネント、サービス、アプリケーションを連携させ、それぞれが実行するプロセスやスレッドを効率的に管理する。
例えば、「Windows 11」のタスクマネジャーのパフォーマンスタブ(図2)では、約700のプロセスと1万1000以上のスレッドが同時に動作している様子が確認できる。こうした複雑な処理の裏側を支えているのがカーネルだ。
コンピュータのCPUは、基本的に一度に1つの処理しか実行できない。この制約を克服するために、カーネルはプロセスやスレッドを細かくスケジュールし、順番に実行させる。各プロセスには短時間のタイムスライスを割り当て、処理が終わらなくても次のプロセスに切り替えることで、あたかも複数の処理が同時に進んでいるかのように見せている。
このスケジューリング処理は常に繰り返され、古いプロセスが完了してジョブキュー(待機リスト)から消える一方で、新しいプロセスが追加され続ける。この流れを制御しているのが、カーネルなのだ。
米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...